研究課題/領域番号 |
19H02676
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久保園 芳博 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (80221935)
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研究分担者 |
JESCHKE HARALD 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任教授 (10800211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 超伝導 / 圧力 / トポロジカル絶縁体 / ディラック半金属 / 2次元層状物質 / キャリアドーピング / キャリア注入 / 2次元層状物質 / トポロジカル物質 / 圧力印加 / 超伝導特性 / 圧力誘起超伝導 / ワイル半金属 / 高圧下結晶構造 / 高圧下電気抵抗測定 / 結晶構造 / 電子構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、キャリアがドープされた多様な2次元層状物質における新規な超伝導相を、常圧から200 GPaの圧力領域において実現する。第一に、金属ドーピングを通じて、キャリア注入された「鉄カルコゲナイド化合物・トポロジカル絶縁体・Dirac半金属・Weyl半金属」などの物質系を合成し、新規な電子相を実現する。この物質に対して圧力を印加して、結晶構造・磁気特性・電気特性・ホール効果を調べて、圧力下での超伝導相を探索する。さらに、得られた超伝導と、構造ならびに電子状態との相関を明らかにする。この研究を通じて、圧力により新規な超伝導相を生み出す構造的・電子的な要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
2次元層状物質へのキャリアドーピングなどによって作製した超伝導体の圧力下での超伝導特性を調べた。とくに、金属原子ドープ鉄カルコゲナイドやBa1-xMxTi2(Sb1-yBiy)2Oの圧力下での超伝導特性研究を行った。また、常圧では超伝導特性を示さないトポロジカル絶縁体に圧力を印加して新規な超伝導相を実現するとともに、超伝導と結晶構造との相関を詳細に調べた。たとえば、トポロジカル絶縁体であるBi2-xSbxTe3-ySeyに関しては、xとyによってフェルミレベルを制御でき、それに伴って超伝導が出現する圧力が変化する。超伝導相は高圧で複数存在しており、結晶構造の変化と密接に相関している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通じて、2次元層状物質へのキャリアドーピングによって作製された多数の超伝導物質の圧力下での超伝導挙動が解明されるとともに、常圧では超伝導体ではないトポロジカル絶縁体における圧力誘起超伝導相の発見を行うことができた。また、その超伝導特性が、圧力下での結晶構造変化と大きく相関することなども明らかにした。この研究は、多様な2次元層状物質の圧力下での超伝導と結晶構造を明らかにしたということで、超伝導物性化学の発展に大きく貢献するとともに、圧力が、トポロジカル絶縁体を始めとする2次元層状物質の興味深い物理を創出できるということを示した点で学術的に評価できる。
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