研究課題/領域番号 |
19H02700
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2020-2021) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
村上 慧 関西学院大学, 理学部, 准教授 (90732058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 環化カップリング / パラジウム触媒 / annulative coupling / palladium / メタラサイクル / 中員環 / 共役系分子 / パラジウム / 環化二量化 / クロスカップリング / 八員環 |
研究開始時の研究の概要 |
芳香族化合物は剛直な骨格や多様な置換様式を活かして、有機材料化学の観点から広く研究が行われている。これらの分子は発光特性や導電性といった特異な電子物性が発現するため、極めて興味深い。本申請研究では新しい構造のメタラサイクルという反応活性種に着目して、新しい芳香族化合物の有機合成手法の開発に取り組む。具体的にはパラジウム触媒を用いる環化カップリング反応群であり、八員環に代表される様々な中員環を有するπ共役系分子の創出とその展開を行う。
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研究成果の概要 |
中員環を有するπ共役系分子は3次元的に湾曲した構造をとり、高い溶解性や特異な光物性を示すことから、有機電子材料への応用が注目を集めている。このような背景の中、新たな環化カップリング反応として、八員環構築を可能とする反応の開発に取り組んだ。その結果、パラジウム触媒を用いることにより、効率的にクロロフェナントレン類が二量化することを示した。さらに、同一の条件を用いた場合、ビフェニレンをカップリングパートナーにすることによって、選択的にクロスカップリングが進行し、新しい八員環構築が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、有機材料として応用可能な含八員環分子の新しい合成手法を確立した。一般に六員環構築手法は数多く知られているが、中員環である八員環の合成は容易ではなかった。今回の研究により従来手法では合成困難であり、そのため未知の分子群であった種々の含八員環分子の合成に成功した。中でも、八員環を3つ有する分子の合成は興味深く、適度な溶解性や蛍光性を有することから、物性の面からもさらなる研究の進展が期待される。以上のことから、本研究は新手法の開発という基礎科学的な観点のみならず、合成した分子の応用可能性においても発展が見込まれる。
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