研究課題/領域番号 |
19H02714
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2020-2021) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
浦口 大輔 北海道大学, 触媒科学研究所, 教授 (70426328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 有機分子触媒 / イオン対 / ラジカル反応 / 光触媒反応 / 不斉合成 / キラルアニオン / カチオン / ラジカルカチオン / 光反応 / アニオン |
研究開始時の研究の概要 |
有機合成化学において最も基本的な反応活性種であるイオン性化学種、特にカチオン性の反応中間体を自在に制御するためのキラルな非配位性アニオン触媒系を確立する。キラルアニオンを触媒とする化学は近年著しい進歩を見せているが、この化学に潜在する合成化学的な可能性が十分に利用できていない。これは、求核的なアニオン触媒がしばしば対となるカチオン中間体と反応して触媒活性を失うことに起因する。本研究では、申請者が開発した求核力をもたない(非配位性)キラルアニオンである五価六配位ホスファートおよび四座型ボラートの構造制御により、従来まで利用が難しかった高反応性カチオン種を経る分子変換の制御を目指す。
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研究成果の概要 |
プロキラルカチオンおよびカチオンラジカル種の立体制御が、求核力をもたない非金属アニオン触媒(有機分子触媒)によって高いレベルで達成できることを初めて実証した。具体的には、ビナフチルジアミンから簡単に合成できる非常に堅牢な構造を備えたキラルボラートを合成し、プロトン化駆動型プリンス環化反応および[3+2]光環化反応において高い触媒性能を発揮することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬合成等において重要なキラル化合物を得るために必要なプロキラルカチオンを経る立体選択的分子変換に有効な非金属触媒(有機分子触媒)を生み出した。本触媒を用いると例えば、カチオン性の光触媒を協働させることで脂環式β-アミノ酸の不斉合成が初めて可能になる。本研究により多様なカチオンと安定な塩(イオン対)を形成できるキラルアニオンに立体制御能を付与できることを実証したことで、イオン反応を用いる物質生産に新たな可能性を拓いた。
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