研究課題/領域番号 |
19H02724
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 大介 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (00509929)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 非対称化 / グリコシル化反応 / 有用糖質合成 / 立体選択性 / 位置選択性 / ホウ素触媒 / メソジオール / 1,2-シスグリコシド / 立体選択的 / 位置選択的 / ボロン酸 / 配糖体天然物 / 有用糖質 / ホウ素化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品を含む有用な生物活性糖質の中には、アキラルなメソジオールに配糖化されたキラル化合物が多数存在しており、これら化合物の効率的合成法の開発が求められている。そこで本研究では、ボロン酸触媒を用いたメソジオールの非対称化型グリコシル化反応の開発を目的として行う。本手法が確立できれば、メソジオールに対するグリコシル化反応で生成し得る4つの異性体の中から、望みの1つの配糖体を短工程で合成可能となり、従来法と比べて、工程数の削減と収率の大幅な向上が期待できる。さらに、本手法を用いて、臨床で使用されている抗生物質を含む種々の生物活性糖質の効率的な全合成を達成し、本手法の有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、メソジオールに対して、水酸基の結合位置を予測・制御しながら、位置及び1,2-cis-立体選択的に配糖化する新規非対称化型1,2-cis-立体選択的グリコシル化反応の開発と有用糖質合成への応用を目的として行った。その結果、myo-イノシトール保護体と1,2-アンヒドロ糖とのボロン酸触媒を用いた、非対称化型1,2-cis-立体選択的グリコシル化反応の開発に成功した。また、本手法が鎖状メソジオールにも応用可能であることを明らかにした。さらに、本反応を用いたLL-BM782類などの有用糖質のコア構造の合成を達成した。また、抗生物質カナマイシンAの全合成研究を行い、今後の良い指針を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したメソジオールの非対称化型1,2-cis-立体選択的グリコシル化反応を利用することで、生成し得る4つのジアステレオマーの中から、望みの1つの配糖体を効率的に合成可能となった。すなわち、従来のキラル保護基の保護・脱保護工程を経ることなく、メソジオールに対して最高100%の転換率でキラルな配糖体を1工程で供給可能となり、工程数の削減と収率の大幅な向上に成功した。そのため本手法は、有用糖質合成への応用が期待でき、糖質が関与する生命現象の解明や糖鎖医薬の創製に大きく貢献すると期待される、以上の点から、本研究の成果は、今後の学術面のみならず社会における貢献度も大きいと言える。
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