研究課題/領域番号 |
19H02725
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中田 雅久 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50198131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 全炭素四級不斉中心 / 多環式天然物 / 転位反応 / 不斉全合成 / 立体選択的 |
研究開始時の研究の概要 |
有用な生物活性多環式化合物の縮環部に多く見られる全炭素四級不斉中心の構築手法創出は挑戦的かつ重要な研究課題であり、生物科学研究・創薬への波及効果も大きい。そこで①パラジウム触媒を用いた分子内環化反応による全炭素四級不斉中心を含むトランス縮環構造の立体選択的構築法、②酸化的脱芳香族化に伴う立体選択的1,n-転位(n=2,3)による全炭素四級不斉中心構築法を開発し、③有用合成中間体の不斉構築法確立と異種多環式天然物(強力ながん細胞増殖阻害活性をもつxerophilusin類、多彩な生物活性を示すkobusine類)の世界初不斉全合成を通じて開発した手法①, ②の有効性を実証する。
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研究成果の概要 |
パラジウム触媒を用いた第四級不斉炭素の形成を伴う分子内カルボチオ化およびチオカルボニル化を開発した。還元的Heck反応、カルボヨード化、カルボボリル化による不斉第四級炭素形成を伴うトランス三環式化合物の構築に成功した。パラジウム触媒を用いたシリルエノールエーテルの分子内アリール化がcis選択的に進行することを見出した。 酸化的脱芳香族化に伴う立体選択的1,2-転位による第四級不斉炭素構築に成功し、ent-kauranoidと同じ四連続不斉中心とジメチルメチレン基をもつ化合物の合成に成功した。不斉有機触媒を用いた立体選択的マイケル反応が収率81%、97% eeで生成物を与えることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
優れた生物活性天然物が自然界から得難い場合や生物工学的な供給が困難な場合は、その化学合成による供給が現実的である。最近では天然物の部分構造をもち20の不斉中心を含むHALAVENが完全合成医薬品として生産・供給されている。このように有機合成化学の進歩とともに、複雑な構造をもつ生物活性天然物の合成研究は大学における研究に留まらず、創薬においても重要であり、社会に貢献する研究といえる。多環式化合物の縮環部に多く見られる第四級不斉炭素の構築は有機合成化学上重要である。よって、この問題を解決する手法の創出は学術的意義があり、構造活性相関研究および生物科学研究、さらには創薬への波及効果も大きいといえる。
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