研究課題/領域番号 |
19H02765
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
梶原 篤 奈良教育大学, 理科教育講座, 教授 (50224415)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | ラジカル重合 / 電子スピン共鳴 / 反応機構 / ESR/EPR / 電解ESR / 酸化還元電位 / ラジカル反応 / ラジカル / 酸化還元反応 |
研究開始時の研究の概要 |
ラジカル重合反応の基礎研究を行う。これまでにない電解電子スピン共鳴分光(ESR)装置を開発し、ラジカル重合系の反応活性種であるラジカルの酸化還元電位を測定する。この方法は電子の動きやエネルギーを詳細に調べられるのでラジカル重合の基礎研究だけでなく、予備的な実験の結果からリチウムイオン二次電池の電極反応の解明にも資することもわかってきた。 化学反応は電子の状態に支配されるので反応を深く理解するためには電子の状態を詳しく知ることが不可欠である。申請者は長年にわたってラジカル重合のESRによる研究を行ってきて、直接成長ラジカルの酸化還元電位を測定できそうなところまで来ているので、これを実現する。
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研究成果の概要 |
電子スピン共鳴分光(Electron Spin Resonance)法を用いてラジカル重合反応の詳細を明らかにする研究を行っている。その中でも電気化学セルとESRとを組み合わせた電解ESR法はこれまで測定する方法がほとんどなかった短寿命で不安定なラジカル種の酸化還元電位を正確に見積もられる可能性があると考え、実施した。最も重要な目標はラジカル重合の成長ラジカルの酸化還元電位を見積ることである。まず安定ラジカルであるTEMPOを用い、スペクトルの出現消滅と電位との関係を調べた。本来の目的であった実際の成長ラジカルの酸化還元電位とESRスペクトルとの対応はごく弱い相関しかまだ観測されていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学反応は電子の振る舞いに支配されているといっても過言ではなく、その電子の性質を詳細に調べることは化学の本質の理解に不可欠である。本研究はこれまで直接的な測定は困難とされてきた不安定短寿命のラジカル種の酸化還元電位を測定することを目的とした。ラジカル種の酸化還元電位が明らかになれば、近年研究の進んでいる制御ラジカル重合に明確な指針を与えることができる。また、現代社会で利用されているプラスチック材料の7割以上はラジカル重合反応で作られているので、工業的な合成過程の最適化に役立ち、結果として、廃棄物を減らすことにつながる。
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