研究課題/領域番号 |
19H02786
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
道信 剛志 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (80421410)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 有機半導体 / 半導体高分子 / トランジスタ / 太陽電池 / 有機エレクトロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
正孔を輸送するp型半導体高分子は数多く存在するが、電子輸送性のn型半導体高分子の報告例は限られている。本研究では、ベンゾビスチアジアゾールという強力電子アクセプター骨格を用いて、有機トランジスタにおいて世界最高の電子移動度を示す高分子を開発する。(1)重合条件の最適化、(2)高分子主鎖の平面性向上、(3)高分子の配向制御、(4)トランジスタの構造最適化により優れた電子輸送を実現する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、窒素置換したベンゾビスチアジアゾール誘導体および関連する電子不足芳香環を利用して電子輸送型半導体高分子を合成し、世界最高レベルの電子移動度を有機トランジスタにおいて実現することを目的とした。まず、クロスカップリング重合の条件を最適化することで分子量10万程度のポリマーが高い移動度をを示すことを明らかにした。次に縮環オリゴフェニレンビニレン誘導体やオキサゾールのような芳香族ユニットを用いると電子輸送特性に優れたポリマーが得られることを証明した。また、イオン性添加剤を活性層に加えると、半導体層と電極の間の接触抵抗が下がるためトランジスタ特性が向上することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機半導体高分子の研究において、正孔輸送型のp型半導体特性の最適化は比較的容易であるが、電子輸送特性に優れたn型半導体の設計は難易度が高いという問題があった。本研究において、電子輸送特性に影響を与える高分子の因子として、分子量や主鎖骨格の影響について明らかにした。例えば、チアゾールに比べてほとんど用いられていなかったオキサゾールは、電子輸送特性を有する骨格であり、直接アリール化重縮合のような環境負荷が低い重合法で高分子を製造することができることを証明した。また、イオン性の添加剤を加えるという簡単な操作でトランジスタの極性やキャリア移動度を調節できるという新しい知見を得るに至った。
|