研究課題/領域番号 |
19H02790
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
儘田 正史 九州大学, 工学研究院, 助教 (60625854)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
|
キーワード | 有機EL / OLED / TADF / 逆項間交差 / 近赤外 / hyperfluorescence / RISC / 有機発光ダイオード / エレクトロルミネッセンス / 熱活性化遅延蛍光 / 三重項励起子 / 有機半導体 / 有機半導体レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
有機発光ダイオード(OLED)は、実用化された技術であり社会情勢に応じた開発が求められている。一方、学術的興味に基づく基礎研究課題も多く残る。本研究では、実用への障壁が高い青色領域や開発が遅れている高色純度化に焦点を当て、熱活性化遅延蛍光(TADF)に関わる材料群について基礎と応用両面から俯瞰した開発を行い、その物理・化学現象の理解を深める。TADFにおいて三重項励起準位の制御は高性能化への鍵であり、本研究により励起子過程の学理を確立する。また、次世代OLEDで主要な役割を果たすと期待されるTADF・ホスト・蛍光材料を創出し、それらから成る分子システムを構築することで高効率デバイスを実現する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、三重項励起準位に関連した励起子過程の学理を深化させ高効率有機デバイスを実現することを目的とした。励起準位を高度に制御した熱活性化遅延蛍光(TADF)やそのホスト材料および蛍光材料を創出し、高効率な有機発光ダイオード(OLED)まで実証した。材料安定性を向上させる分子設計指針を導出し、安定な構造を用いて高い励起準位をもつ青色TADF材料を創出することで、高色純度の青色OLEDの開発に成功した。一方、高い量子収率を示す近赤外発光材料を開発し、TADF材料と組み合わせることで、高効率近赤外OLEDも実現した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
青色OLEDにおいて、三重項励起子が強く関与するりん光やTADFの実用化が遅れている原因は素子耐久性の低さにあるが、本研究において分子の安定性や励起子過程が素子耐久性に与える影響について多くの知見が得られたことは、さらなる特性向上に寄与する。一方、近赤外発光デバイスは通信やセンシング用途などを中心として産業的な需要が非常に高く、高い発光効率を示す有機材料を創出できたことは、近赤外OLEDの開発を促進し、有機デバイスの特徴を活かした新たなアプリケーションの開拓につながると期待される。
|