研究課題/領域番号 |
19H02792
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
森崎 泰弘 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60332730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 円偏光発光 / 面性不斉 / 高次構造制御 / 形態制御 / シクロファン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでに、五種類の[2.2]パラシクロファン化合物の光学分割法を開発し(分子の一次構造制御)、様々な光学活性π電子系を構築してきた(分子の二次構造制御)。次は光学活性な三次以上の高次構造制御である。 本研究では、面性不斉多置換[2.2]パラシクロファンを構成要素に用い、以下の項目を目的として研究を展開する。 ①分子集合を促す置換基を有する光学活性分子を合成し、光学活性高次構造を制御することで、これまでの物性値を凌駕する円偏光発光性薄膜ならびに集合体を創出する。 ②光学活性X字型またはV字型分子を系統的に合成し、形態が制御されたマイクロ構造体を作成するとともに新機能を開拓する。
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研究成果の概要 |
本研究では三種類の面性不斉[2.2]パラシクロファン化合物の新規光学分割法の開発に成功した。これまでに報告した三種類の面性不斉[2.2]パラシクロファン化合物と合わせ、合計六種類をキラルビルディングブロックとして用い、様々な光学活性二次構造を有するキラル分子を合成し、それらほとんど全てが高輝度かつ高異方性で円偏光発光することを示した。系統的なキラル分子の合成と理論的考察から、π電子系の配向と円偏光発光挙動の相関を明らかにした。また、キラル[2.2]パラシクロファン分子の基板上での急速結晶化により、骸晶のサイズ・形状・結晶方向を精密に制御することに世界で初めて成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光発光は左と右円偏光発光強度に差がある発光現象である。有機分子は官能基付与が容易であることから物性を柔軟に設計できる利点があり、本研究で高輝度かつ高異方性で円偏光発光する有機材料を創出できたことは大変意義がある。本研究で明らかにした分子の配向と円偏光発光挙動の相関解明により、その設計指針を示せたことも学術的かつ社会的意義がある。さらに本研究では有機分子の骸晶形成精密制御に世界で初めて成功した。骸晶は雪やBiの結晶など自然界にも見られるが、サイズ・形・結晶成長方向制御は極めて困難である。構造が明確かつ官能基変換が容易な有機分子でこれをなし得た事は、今後様々な応用展開を図る上で非常に意義深い。
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