研究課題/領域番号 |
19H02909
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
松村 成暢 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (70467413)
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研究分担者 |
佐々木 勉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (20534879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 油脂 / 嗜好 / 肥満 / 糖尿病 / 転写因子 / 脂肪 / 神経細胞 / 嗜好性 / 油脂摂取 |
研究開始時の研究の概要 |
油脂の過剰摂取は肥満を招き様々な生活習慣病を誘発し、現代社会の大きな問題となっている。これまでの研究により油脂の‘嗜好性’は過食を招くと同時に自律神経を活性化することにより全身のエネルギー代謝を亢進させることが明らかとなっている。詳細な機構は不明であるが、このエネルギー消費の亢進が急激な体重増加を抑制していると考えられる。一方で、食欲とエネルギー消費のバランスを崩壊させ肥満を誘導する因子として、ストレスが挙げられるが、ストレスが油脂の嗜好性とエネルギー代謝に与える影響は不明である。そこで本研究では、油脂の嗜好性とエネルギー代謝およびストレスとの間にある相互作用の解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では 油脂の摂取により肥満を抑制する機構と肥満を誘導する機構の解明に取り組んだ。油脂の摂取は褐色脂肪組織および肝臓における脂肪酸酸化を促進することにより、肥満を抑制することを発見した。一方で骨格筋では油脂の摂取による代謝の変化はわずかなものであった。次に脳内の転写因子CREBが油脂欲求と代謝に与える影響を検討した。肥満関連因子であるMC4Rを発現する神経特異的にCREBの活性を抑制すると、マウスの油脂欲求が高まるとともにエネルギー代謝が低下し肥満することが明らかとなった。このことよりMC4R神経のCREB活性が油脂摂取による肥満の鍵となることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により油脂摂取にともない代謝が変化する臓器として肝臓と脂肪組織が明らかとなった。これらの臓器の代謝が肥満予防に重要であるとともに、これらの臓器の代謝不全が肥満の一因となることが予想される。このため、肝臓および脂肪組織の代謝を健全に保つことが健康の維持に重要であると考えられる。また、脳内の一部の神経細胞が油脂欲求を制御していることが明らかとなった。この神経群が油脂摂取による過食の原因であるとともに過食治療の鍵となることが期待される。
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