研究課題/領域番号 |
19H02940
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大川 泰一郎 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80213643)
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研究分担者 |
安達 俊輔 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30717103)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | イネ / 倒伏抵抗性 / 集積 / 多収 / 強稈 / スーパー台風 / 水稲 / 集積効果 / QTL / 強稈遺伝子 / 多面発現 / 収量 / 集積系統 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化により頻発化する大型台風、ゲリラ豪雨によりイネの倒伏被害が拡大しており、スーパー台風にも耐える倒伏抵抗性極強のイネ多収品種を開発するためには、太稈と強稈質をあわせもつ強稈化による倒伏抵抗性の向上が不可欠となる。これまでに、倒伏抵抗性に関わる複数の遺伝子を集積し、集積効果のメカニズムと生産現場に応用するための最適な遺伝子の組み合わせを解明しなければならない。そこで本研究では、スーパー台風に耐えうる最強のイネ品種に改良するため、倒伏しやすい品種コシヒカリに複数の強稈遺伝子を組み合わせて集積し、その集積効果の発現メカニズムを解明し、最適な遺伝子の組み合わせを解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
水稲の4つの多収・太稈遺伝子SCM1,SCM2,SCM3,SCM4の2~4集積系統の挫折型およびたわみ型倒伏抵抗性の評価を行い、4集積系統はコシヒカリより挫折型、たわみ型倒伏抵抗性が強化されていることを確認した。強稈質品種リーフスターとコシヒカリより作出した組換え自殖系統群 (RILs)を用いて、第5染色体のセルロース、ヘミセルロース密度を高めるQTL候補領域を絞り込み、NILを育成するため、リーフスターの第5染色体断片をもつコシヒカリ遺伝背景のNIL-SC1, NIL-SC2を作出した。多収、太稈遺伝子と強稈質遺伝子を集積した系統を作出し、収量性、倒伏抵抗性の向上が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のイネの倒伏抵抗性の品種改良において短稈化する方向で育種されてきた結果、短稈化以外のもう一つの方法である強稈化する方向での多収品種の改良は、国内外においてイネではほとんど行われておらず、強稈性に関する生理学的、遺伝学的研究もほとんど行われてこなかった。強稈性は稈の太さや稈質などに関わる複数の遺伝子が作用する量的形質であり、短稈化に比べて改良が難しかった。本研究の成果により、多収性、強稈性に関わるQTLが特定され、それらを複数集積し、組合せを選択することによって強稈化による倒伏抵抗性の改良が効率的にできることが実際に示され、スーパー台風に強いイネの効率的な品種改良の道が開かれた。
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