研究課題/領域番号 |
19H02956
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
一瀬 勇規 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (50213004)
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研究分担者 |
松井 英譲 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20598833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | snRNA / rsmX / GacS/GacA二成分制御系 / 菌体密度感知機構 / 2成分制御系 / 非コードRNA / 翻訳制御 / 運動能 / Gac / Rsm / Small non-coding RNA / Gas / small non-coding RNA |
研究開始時の研究の概要 |
P. syringae pv. tomato DC3000 (PtoDC3000)は、菌体密度感知分子であるアシルホモセリンラクトン(AHL)を生産しない。本菌を高菌体密度で培養すると、タンパク質をコードしないsmall RNAであるrsmXやrsmYの発現が高まる。また、これらの発現はGacS/GacA2成分制御系の支配下にあることを明らかにしたが、AHLに代わる菌体密度感知機構は不明である。本研究では、PtoDC3000がAHL生産を廃止した理由を明らかにし、新規菌体密度感知分子の同定と、病原力関連遺伝子のrsmXやrsmYによる転写後発現制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
P. syringae pv. tomato DC3000 (PtoDC3000)は高菌体密度でタンパク質をコードしない短鎖RNAであるrsmXやrsmYの発現を高め、翻訳制御を行なっていると考えられている。PtoDC3000のrsmX1, rsmX2, rsmX34, rsmX5のそれぞれを欠損した変異株には顕著な表現型の変化は見られなかった。しかしながら、rsmXの4重、5重変異株では べん毛関連遺伝子、3型分泌システム関連遺伝子の発現低下が見られ、swimming運動能、病原力について若干低下する傾向が見られたことより、rsmXはこれらの遺伝子発現を正に制御すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物病原細菌には様々な病原性・病原力に関連した遺伝子が存在しているが、それらの遺伝子は常に発現しているのではなく、感染のステージに沿って必要な遺伝子を発現させる。本研究では病原力に関連する遺伝子発現がどのように制御されているかを解明しようとしたものであり、この分野の先端研究の一つである。本研究により非コード短鎖RNA分子が運動能や病原力に関係した遺伝子群の発現制御をしている可能性が示された。病原力の制御機構の解明は、その抑制機構への応用に道を開くものとして意義深い。
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