研究課題/領域番号 |
19H02998
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相場 慎一郎 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60322319)
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研究分担者 |
今井 伸夫 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (00722638)
北山 兼弘 京都大学, 農学研究科, 教授 (20324684)
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70578864)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 針葉樹 / 気候 / 土壌 / 光競争 / 森林生態学 |
研究開始時の研究の概要 |
針葉樹は、進化史的には広葉樹よりも原始的であり、広葉樹に競争排除されてきた歴史をもつ。現在の針葉樹の自然分布は局所的であるが、熱帯から亜寒帯まで幅広い。どうして、針葉樹は広葉樹に追われつつも、幅広い温度環境で生き残ったのだろうか?本研究は、西太平洋地湿潤地域(日本・台湾・ボルネオ・ニュージーランド)において、森林生態系を「植生-土壌系」として気候・土壌と関連づけて分析し、「気候・土壌条件が地上部の光競争を介して針葉樹の優占度を決定する」という仮説を検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、森林生態系を「植生-土壌系」として気候・土壌と関連づけて分析し、「気候・土壌条件が地上部の光競争を介して針葉樹の優占度を決定する」という仮説の検証を目的とした。日本の北海道と九州南部・南西諸島、およびマレーシアとモンゴルの様々な気候・土壌条件にある森林を対象に現地調査を実施して、針葉樹の優占度と種組成・森林構造・土壌養分・光環境を評価し、上記の仮説を検証した。その結果、概ね上記の仮説を支持する結果が得られ、寒冷・貧栄養条件では広葉樹の成長速度が低下し、耐陰性に劣るが寒冷・貧栄養条件に耐えうる針葉樹の優占度が高まることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
針葉樹優占林の分布は寒冷地に偏っているが、「北方針葉樹林」のほかに、比較的温暖な地域に分布する「温帯・熱帯針広混交林」がある。本研究の結果は、両タイプの針葉樹優占林について、「気候・土壌条件が地上部の光競争を介して針葉樹の優占度を決定する」という仮説を概ね支持し、気候と土壌が森林の組成と相観を決定するメカニズムの解明に寄与した。一方で、日本の南西諸島や北海道においては、樹種の分布が地史に制約されていることも明らかになった。このことは、現在の森林は現在の気候条件と平衡状態にあるとは限らないことを意味し、気候変動の影響予測には地史的制約を考慮する必要があることを示唆する。
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