研究課題/領域番号 |
19H02999
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
星崎 和彦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (30322655)
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研究分担者 |
野口 麻穂子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00455263)
井田 秀行 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (70324217)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | リターフォール / 窒素 / リン / 開花 / リター分解 / 落葉 / 開花量 / 元素流出量 / ティーバッグ実験 / 花 / 元素供給量 / 窒素含有率 / 花リター / 元素含有率 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の開花量は年により大きく変動し、生態系に大きな影響を与える。本研究は、今まで見過ごされてきた花や花粉も生態系内物質循環の駆動因子だと捉え、開花の年変動が林床への「資源パルス」(=不定期で突然多量に供給される資源)を作っているのではないか、その貢献は土壌生態系にとって無視できないものではないかという仮説を、野外実験(リターバッグ)と落葉量(リターフォール)観測データの解析の2つのアプローチを通じて、検証する。
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研究成果の概要 |
冷温帯の主要な落葉広葉樹では、窒素とリンの含有率は花粉が最も高く、次に花リターが続き、葉リターが最も低かった。分解のしにくさを指標するC/Nでも同様であった。岩手県の1haプロットにおける1991~2015年のリタートラップ観測から、年間のリター供給量に占める花の貢献度は重量ベースではごくわずかであったが、各器官の窒素・リン含有率を加味した窒素換算では花の割合が最大8.4%(CV 1.29)、リン換算では最大27%(CV1.10)に達した。葉リター・花リターそれぞれのリターバッグ実験から、花リターは葉リターよりも分解速度が速かった。これは、花リターの分解しやすさ(上のC/N)とも符合する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林樹木の開花量の年変動は世界中の森林で広く見られる現象で、その発生メカニズムや進化生態学的意義、動物個体群への波及反応などの関連分野に影響を与えてきたが、物質循環研究との接点はこれまでほとんど見られなかった。本課題では、開花の年変動が土壌生態系への窒素供給に季節的、年間のパルスを形成していることを発見した。これらの知見は、今後の学際的な研究の糸口となりうるほか、開花にともなう花粉飛散が林地の肥料となりうる可能性を示唆しており、林業など応用的な観点でも意義がある。
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