研究課題/領域番号 |
19H03053
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
|
研究分担者 |
武方 宏樹 琉球大学, 戦略的研究プロジェクトセンター, 特命助教 (60814192)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
|
キーワード | 月周性 / 時計遺伝子 / ヤイトハタ / マスタークロック / 脳下垂体 / 松果体 / ハタ / 視交叉上核 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の核心をなす学術的な「問い」を「月周性を示す魚類の主時計は脳のどこに存在するのか」と「魚類の月周性は主時計によって制御されているのか、それとも主時計から独立して制御されているのか」とし、ハタ科魚類の概日時計の主時計の局在を明らかにするとともに、産卵月相が逆位相になっている近縁ハタ類を人為夜間光条件下で飼育することで、概月性を司るタイマー型砂時計の実体と主時計との関連を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
月周性を示す熱帯性魚類が月から得られる周期的な環境情報を内因性の情報に伝達する機構については不明な点が多い。本研究は、ヤイトハタの主時計の実体の解明を目的として行われた。時計遺伝子(Per2)の発現変化をwhole mount in-situ hybridizationで調べた結果、松果体での発現は受精後90時間から見られ、暗期に減少して明期に増加した。明暗条件下で飼育した幼魚のPer2の発現量は脳下垂体と松果体において昼に高く、夜に低くなった。恒暗条件では脳下垂体や松果体でのPer2の日周変化が消失した。以上の結果からヤイトハタの主時計は松果体にある可能性が考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
哺乳類では主時計が視交叉上核にあることはよく知られているが、魚類では主時計が松果体か視交叉上核にあるかについては議論が分かれる。本研究では、月周性産卵を示すハタ科魚類の主時計の存在部位をあきらかにすることができた。この結果は、海産スズキ目の阪における主時計の存在を示した点で時間生物学的な観点でインパクトがある。また、ハタ科魚類の産卵の時刻合わせを光(もしくは月光)で制御することへの道筋を開いたことから、水産学的観点で応用的な価値も持っている。
|