研究課題/領域番号 |
19H03122
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 和幸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10223554)
|
研究分担者 |
チェンバーズ ジェームズ 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00621682)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 慢性腸炎 / 消化管リンパ腫 / 小細胞性リンパ腫 / 大細胞性リンパ腫 / 上皮内リンパ球 / 犬 / 猫 / セリアック病 / 消化管T細胞リンパ腫 / 細胞傷害性T細胞 / γδT細胞 / IFN-γ / イヌ / ネコ / 消化管 / T/NK細胞 / 腸症関連リンパ腫 / リンパ球増殖疾患 / 皮膚T細胞性リンパ腫 / T細胞性リンパ腫 / CD8 / CD30 / CD56 / 腸炎 / T/NK細胞 / T細胞 / NK細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、自己免疫応答を背景とする慢性リンパ球性炎症とこれを背景として発生する消化管リンパ腫の病理発生を犬や猫などの疾患解析をもとに明らかにして、その知見をヒトの類似疾患の病態解明にも役立てることを目的とする。炎症で惹起されるリンパ球の反応性増殖と、低グレードリンパ腫と呼ばれる増殖細胞に形態的異常が乏しい腫瘍病態の相違を、病理学的ならびに分子生物学的に明確にすることは、分子標的薬等による治療方法の開発には必要不可欠である。本研究の成果は、特に小麦に含まれるグルテンに対する自己免疫応答よりリンパ腫を発症するヒトのセリアック病の病態解明やその治療法開発に多くの情報を提供しうるものと考える。
|
研究成果の概要 |
本研究により犬の慢性腸炎および本病態を背景とする消化管リンパ腫は、ヒトのセリアック病を背景とする腸症関連T細胞リンパ腫I型(EATL、Type 1)と類似した病理発生を示すことが示唆され、本研究の結果、犬の慢性腸炎状態では上皮内リンパ球はCD3+CD8+Granzyme(GZB)B+リンパ球およびCD3+CD8-GZB+リンパ球の両者が混在しているが、腫瘍化に従いCD3+CD8-GZB+細胞が優勢になり、このリンパ球が異型性を増して大細胞リンパ腫として増殖する段階においてもこの免疫表現型を維持していることが明らかになった。同細胞については未分化な細胞傷害性T細胞と予想された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、イヌおよびネコの慢性炎症から消化管T細胞性リンパ腫の関連性や、その主体となるリンパ球の免疫表現型を明らかにすることができ、それぞれの病態の臨床的挙動などの情報も提供することができた。これらの知見は小動物臨床分野に極めて有用なものである。さらにイヌの消化管T細胞性リンパ腫についてはヒトのセリアック病を背景とする腸症関連T細胞リンパ腫(EATL)のI型と非常に類似性の高い病理発生を有すると予想され、特に日本国内で飼育されている柴犬にこの病態が多く認められることから、本疾患の詳細な病態解明により、ヒトのセリアック病やこれに関連するリンパ腫の理解に大きく寄与できるものと期待される。
|