研究課題/領域番号 |
19H03130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
山手 丈至 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 客員研究員 (50150115)
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研究分担者 |
桑村 充 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (20244668)
井澤 武史 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (20580369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 線維化 / 筋線維芽細胞 / 臓器横断的 / 上皮‐間葉転換 / 体性幹細胞 / 幹細胞認識抗体 / ラット / 難治性線維化 / マクロファージ / 線維化の軽減実験 / 上皮間葉転換 / 臓器横断的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
腎線維化において、傷害後の再生上皮が間葉系細胞、特に膠原線維を産生する筋線維芽細胞に転換(上皮‐間葉転換:EMT)し、線維化の増悪に係ることが知られている。このEMT には上皮系と間葉系の双方に分化し得る体性幹細胞が関与すると考えている。しかし、EMT 現象の全貌は解明されていない。ラットの肝、腎、膵、皮膚、腸、心筋に線維化病変を作出し、異常な修復機転であるEMT の病態を臓器横断的に比較解析し、さらに体性幹細胞を認識する新規抗体A3を用い胎子発生過程との関連でEMT が係る線維化の増悪メカニズムを追究する。この研究は「EMT 幹細胞学説」の構築に繋がり、線維化の治療法探索に資する。
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研究成果の概要 |
新規抗体A3は上皮性と間葉性の双方に分化するラットの体性幹細胞を認識した。A3に加え多様な抗体を用い、ラットに線維化病変を作出し、体性幹細胞を起点とし筋線維芽細胞の特性を追究した。筋線維芽細胞は、未分化間葉系細胞や血管周皮細胞に加え、肝では肝星細胞が、膵では膵星細胞が、皮膚では毛根結合識鞘細胞が部位特異的な筋線維芽細胞の起源であった。腎では傷害尿細管の「上皮-間葉転換」が筋線維芽細胞の形成に係っていた。筋線維芽細胞の前駆細胞の一部は幹細胞系列に存在すると考えられた。筋線維芽細胞の形成に係るマクロファージは「DAMPs-オートファジー」との関連で誘導された。この研究は幹細胞病理学の構築に資する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
線維化は組織傷害後の修復機転である。線維化には膠原線維を産生する筋線維芽細胞が係る。筋線維芽細胞の特性と起源について体性幹細胞を起点に臓器横断的に追究した。特に、腎線維化では、傷害尿細管の遡及現象としての異常分化である上皮-間葉転換を介し筋線維芽細胞が形成される。また、ラットの体性幹細胞を認識する新たな抗体を作製し、その認識細胞の特性・分布を解析することで筋線維芽細胞の起源に新たな知見を加えた。また筋線維芽細胞の形成に係るマクロファージの誘導因子を障害関連分子パターン(DAMPs)とオートファジーとの係わりで検討した。この研究は「幹細胞病理学」の新たな構築と難治性線維化の治療法の探索に資する。
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