研究課題/領域番号 |
19H03134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
谷本 啓司 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90261776)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | ゲノム刷り込み / 遺伝子改変マウス / 制御分子 / DNAメチル化 / エピジェネティクス / 幹細胞 / 種特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳動物は父親と母親からゲノムを継承し、ほとんどの遺伝子は子供において同等に発現するが、一部遺伝子は、どちらかの親から受け継がれたときにだけ転写される(=ゲノム刷り込み)。アリルが由来する親の性は、生殖細胞でゲノムに付加されるDNAメチル化により区別される。ところが我々は、生殖細胞でのメチル化がなくとも、受精後に、片アリルのみでDNAのメチル化が起こり、ゲノム刷り込みが正常に制御されることを見いだした。本研究では、親から子へと継承される「新規の印」を介した遺伝様式の理解のために、受精後刷り込みメチル化に関わる分子の同定と、その種間や遺伝子座間での制御メカニズムの共通性と特異性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、胎盤性哺乳動物に特有のエピジェネティックな遺伝現象であるゲノム刷り込みにおける、我々が見いだした「受精後刷り込みメチル化現象」の分子機序の解明である。計画期間中、同現象に必須のH19-ICR内118-bp配列に結合するタンパク質性因子をゲルシフトアッセイにより同定し、そのcis結合配列に変異をもつ遺伝子改変マウスを作製して機能検証をおこなった(学会発表3件;学術論文投稿中)。また、ヒトやラットのH19-ICRや、他のDMR(IG-DMR)における受精後刷り込みメチル化現象の保存性について、遺伝子改変マウスを作製することで検討にした(学会発表4件;学術論文公表2件)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:DNA塩基配列に依存しない遺伝様式であるエピジェネティクスにおいて、その情報の担い手はDNAメチル化やヒストン修飾であり、これらは細胞分裂や世代を超えて継承される。ゲノム刷り込みでは、生殖細胞でのDNAメチル化が、受精後に両アレルを区別するためのマークと考えられているが、我々の成果は、新規マークの存在を示唆する。 社会的意義:ゲノム刷り込み異常が関わるエピジェネティクス疾患の原因として、生殖細胞での確立、あるいは、着床後の維持過程における刷り込みメチル化の破綻がある。我々の成果は、受精直後の維持過程でも破綻が生じうることを示唆し、関与する分子の同定により、治療や診断が可能となる。
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