研究課題/領域番号 |
19H03188
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 憲治 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (20342751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / ミドリムシ / 光センサー / フラビン / PAC / 天然結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
ミドリムシの遊走方向をコントロールする光センサーは1世紀来の謎だったが、2002年にその正体がフラビンタンパク質PACであることが報告された。PACは内部に有するアデニル酸シクラーゼを青色光で活性化させる。そのPACが三次元結晶状に並んで光センサー器官PFBを形成していることを申請者らは示してきた。なぜ天然で三次元結晶を作っているのか。本研究では、「素早い光応答を行うために局所的なcAMPの急激な濃度上昇を引き起こす三次元結晶が有効であった」という仮説をたて、その検証を行う。その過程で光センサー器官PFBの全体像を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ミドリムシの光センサーの正体は1世紀近く謎だったが、21世紀に入って総研大の渡辺博士らによって同定された。光驚動反応の中のステップアップ驚動反応を担う分子だったが、その分子構造を本基盤研究において原子レベルで解明することに成功した。特に困難を要したヘテロ4量体のN末端相互作用部位を解明することに成功した。クライオ電子顕微鏡単粒子解析法の利点を活かし、Focused classificationによって四量体中心に存在する有意な密度をもつ領域の再構成構造の品質改善を行った。特に追加データを得ることなく、βシートによる相互作用様式が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質による光センシングのメカニズムは様々だが、このミドリムシの光センサーは、青色光を受光すると、ATPから環状AMPを生成するアデニル酸シクラーゼという酵素活性機能を内包する。よって、この光センサーを遺伝的に細胞に導入できれば、人為的に青色光で細胞内の環状AMPの濃度を変化させることがきる。環状AMPは、主要な細胞内セカンドメッセンジャーであるので、細胞生物研究の強力なツールとなる可能性を秘めている。
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