研究課題/領域番号 |
19H03233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
瀬原 淳子 京都大学, 医生物学研究所, 連携教授 (60209038)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 骨格筋発生 / 増殖因子 / 転写因子 / プロテアーゼ / 臓器形成 / 筋腱接合部形成 / 骨形成 / 神経筋接合部 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、骨格筋・腱・神経発生の研究などが、個々の分野で研究され、そこに関わる遺伝子・分子・細胞の詳細が解明されてきた。しかし、これらの異種組織がどのように集結し機能的に統合されて構造的・機能的に調和の取れた臓器として発達するのか、そのメカニズムには未解明なところが多い。骨格筋と相互作用する神経や腱を可視化したゼブラフィッシュ胚を観察すると、これらの集結は、発生過程の中できちんとプログラムされていることがわかってきたことから、この動物を用いて、これら異種細胞・組織の骨格筋への集結の仕組みを解明する。
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研究成果の概要 |
臓器の発達を、骨格筋を中心とする異種細胞・組織のインテグレーション/統合という視点で捉え、細胞増殖・分化制御の観点からの解明に取り組んだ。ゼブラフィッシュ・マウスを用いて、骨格筋―腱接合部で発現する新たな転写因子Ebf3の同定に成功し、Ebf3が未分化結合組織細胞の分化を制御し、胸骨形成に関わる転写因子の一つであることを示した。 一方、骨格筋や心臓神経堤細胞などで発現する膜型メタロプロテアーゼADAM19について、これがBMPレセプターALK2の細胞外ドメイン切断によりBMPシグナリングを抑制することにより腱形成に関与することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨格筋には腱細胞や多くの結合組織細胞が隣接し、骨とともに運動器を形作るが、それらの細胞の発生や細胞系譜・統合機構についてはほとんど解明されていない。腱や結合組織細胞分化におけるEbf3やADAM19の同定とその役割はそれぞれ非常にユニークなもので、学術的に重要である。 また、Ebf3欠損による胸骨形成不全に加え、ADAM19欠損による腱分化不全がそれらの細胞の軟骨化を引き起こし、心室中隔欠損を生ずるという心室中隔欠損の細胞基盤を明らかにしたこと、ヒトADAM19によりヒトALK2が切断されることも示し、ヒトにおける同様のメカニズムの存在を示唆できたことには、大きな医学的価値がある。
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