研究課題/領域番号 |
19H03237
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
花嶋 かりな 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80469915)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 大脳新皮質 / ブロードマン脳地図 / 領野 / 神経幹細胞 / 細胞移動 / 大脳皮質 / 発生 / ニューロン / パターニング |
研究開始時の研究の概要 |
近年の神経科学の進展により、大脳皮質の層特異的な神経回路の形成を担う分子やその作用機序が明らかになりつつある。一方で、大脳皮質の進化において表面積の増加とともに数が増大し、脳の機能局在をあらわす領野の構築メカニズムについては、知見が極めて乏しい。本研究は「ブロードマン脳地図はどのようなメカニズムによりつくられるのか?」という未解決の問いに挑むために、発生期大脳皮質の領野特異的細胞に発現する分子の機能に焦点をあてることで哺乳類特有の脳地図を解読し、大脳皮質神経回路の情報処理特性と動作原理の解明に向けて新たな伸展を狙うものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、ブロードマン脳地図の形成メカニズムという未解明の問題に挑むため、発生期の大脳皮質に発現する分子の機能と、領野ごとの細胞構築の違いを生み出す細胞動態に焦点を当て、大脳皮質領野の構築メカニズムを明らかにすることを目的とした。具体的に、大脳皮質の領野間の境界における新生ニューロンの挙動の違いに着目し、細胞の遺伝学的標識とライブイメージングを用いて、同時期に生み出されるニューロンの動態を可視化・制御した。これにより、異なる領野に統合される細胞のふるまいや、領野特異的に作動する細胞の分化プログラムを明らかにし、ブロードマン脳地図における細胞構築の差異を生み出す分子・細胞基盤を初めて確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ブロードマン脳地図が報告されて以来未解明であった大脳皮質領野形成機構に関する新たな知見を得た。時期特異的神経細胞の操作とバイオインフォマティクス、遺伝学的手法を統合的に使用した解析により、大脳皮質の細胞構築の形成原理が明らかになった。この成果により、ヒトで最も増加した領野の細胞構築学的な意義が明らかになり、知覚や随意運動などを司る高次脳機能を担う領野特異的なニューロンの分化制御機構およびその機能不全の理解に貢献することが期待される。
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