研究課題/領域番号 |
19H03240
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
梅澤 泰史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70342756)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | アブシシン酸 / 乾燥ストレス / シロイヌナズナ / リン酸化 / プロテオーム / プロテインキナーゼ / シグナル伝達 / リン酸化プロテオーム / タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
アブシシン酸(ABA)は、植物の環境応答や種子成熟に重要な植物ホルモンである。ABAシグナルの中枢経路では、SnRK2と呼ばれるタンパク質リン酸化酵素(キナーゼ)が活性化し、様々なタンパク質をリン酸化してABA応答を誘導する。しかしながら、SnRK2の活性化のメカニズムについては不明な点が多い。申請者らは、これまでの研究からRaf型キナーゼの一つであるRaf36がSnRK2と相互作用し、ABA応答を負に制御することを見いだした。そこで、Raf36やその近縁遺伝子群について解析を進め、ABAシグナル伝達系におけるSnRK2-Raf複合体の機能を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
アブシシン酸(ABA)は、SnRK2タンパク質リン酸化酵素を活性化し、様々なタンパク質をリン酸化する。申請者らは、SnRK2の相互作用タンパク質としてRaf36およびRaf22を同定し、これらがABA応答を負に制御することを見出した。Raf36およびRaf22はSnRK2によって直接リン酸化され、タンパク質分解が促進される。また、Raf36が通常時の植物の生長を促進することや、乾燥ストレス時に分解されて植物の成長を抑制する働きを持つことを明らかにした。以上の結果から、今回発見したRaf型キナーゼとSnRK2は、植物の生長制御とストレス応答のバランスを調節するモジュールを形成することが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
干ばつは世界の農業生産に莫大な損失を与えており、重要な農業問題の一つである。したがって、植物の乾燥ストレス応答は重要な研究課題となっている。これまで、植物の乾燥ストレス応答の研究では、主に乾燥ストレス耐性を誘導する「ストレス応答」に主眼が置かれてきた。一方、本研究では、乾燥ストレス下における植物の生長という新しい視点から解析を行い、植物の持つユニークな生長制御メカニズムを明らかにすることに成功した。この研究成果は、乾燥ストレス化における植物の生長制御の重要性を示すとともに、将来的に干ばつ条件下における作物の生長や収量を維持するための技術開発につながる可能性がある。
|