研究課題/領域番号 |
19H03253
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
林 謙一郎 岡山理科大学, 生命科学部, 教授 (30289136)
|
研究分担者 |
笠原 博幸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00342767)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | オーキシン / 植物ホルモン / 代謝経路 / 不活性化 / ケミカルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
植物の複雑な形態形成や多様な環境応答にはオーキシンの組織・細胞濃度の動的制御が重要である。オーキシンの組織・細胞濃度は、(1)IAA(内生オーキシン)の生合成,(2) IAAの極性輸送(3)IAAの不活性化の3つのステップにより、協調して精緻に調節されている。オーキシン生合成経路と極性輸送は明らかにされた一方で、IAAの不活性化については、その生理的意義をふくめて、オーキシン不活性化経路の全体像はいまだ決定されていない。本研究ではケミカルバイオロジーと分子遺伝学的手法を統合・活用して,オーキシン不活性化経路の決定とその生理的意義の解明に挑み、食糧生産の改善に期待できる植物の生長制御のしくみを解き明かす。
|
研究成果の概要 |
オーキシンは、植物の分化・成長のあらゆる局面で働く主要な植物ホルモンである。天然オーキシンであるインドール-3-酢酸(IAA)の植物体内での活性は,その生合成,輸送,不活性化の3つの経路により制御されている。これまでにIAAの不活性化経路は明らかにされていなかった。本研究では,これまでに提唱されてきたIAAの不活性化経路の代謝酵素遺伝子を分子遺伝学的,化学生物学的手法で解析した。その結果,IAAの代謝不活性化経路(GH3-ILR1-DAO経路)を決定し,植物内でオーキシンが代謝分解される仕組みの解明に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の成長の鍵となるホルモン・オーキシンが,どのように不活性化・一時貯蔵・再生・分解されているのか?という植物学や農学において重要な謎が解明されたことで,オーキシンによる植物の複雑な成長調節メカニズムの解明がさらに進むと考えらる。オーキシンは,成長促進剤,発根促進剤さらに除草剤として農業分野で幅広く利用されている。今回の研究成果から,より活性の高い発根促進剤などの開発につながると期待できる。さらに,オーキシンの不活性化・分解をコントロールすることで,農作物,綿花などの衣料原料,樹木バイオマスなどを増産する新たな研究の道が拓かれると期待される。
|