研究課題/領域番号 |
19H03256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小林 一也 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (50360110)
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研究分担者 |
関 まどか 岩手大学, 農学部, 助教 (20700488)
坂元 君年 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (50361465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 核内受容体 / プラナリア / カンテツ / 脂溶性リガンド / 生殖様式転換 / 有性化 / 脂質性リガンド |
研究開始時の研究の概要 |
分化多能性幹細胞を持つ自由生活性の扁形動物であるプラナリアは、無性生殖が可能であり、必要な時に生殖器官を分化して有性生殖も行なうことができる。自然界では環境要因の変化が刺激となり有性化に必須な機構がオンになることで、分化多能性幹細胞から生殖器官への分化の休眠状態が打破されるが、これまで有性化に必須な機構は不明であった。申請者は環境刺激ではなく化学物質の刺激でプラナリアを有性化する系を用いて、ついに必須な分子機構として核内受容体Dr-NHR1の関与をつきとめた。本研究では、この核内受容体に対する脂溶性リガンドとその合成酵素遺伝子の同定を行ない、また、脂溶性リガンドの産生制御機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
プラナリア有性化必須遺伝子として核内受容体遺伝子Dr-nhr1が同定され、この機構は寄生性扁形動物にも保存されていると予想された。本研究では、(1) Dr-NHR1受容体脂溶性リガンドの同定、(2)寄生性扁形動物カンテツでのDr-nhr1オルソログの同定を目指した。研究項目(1)では、核内受容体Dr-NHR1の脂溶性リガンド候補物質を検証する実験系を構築することに成功し、候補物質となりうる脂溶性化合物を7種同定することができた。研究項目(2)ではカンテツの無性世代であるミラシジウムから有性世代の初期段階であるNEJへ変態時急激に発現が上昇するDr-nhr1オルソログ候補遺伝子を3遺伝子得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一見まったく異なるように見えるプラナリアとカンテツの生殖様式転換現象であるが、本研究によってプラナリアと吸虫カンテツに共通した分子機構として核内受容体Dr-NHR1の関与がより強く示唆された。系統的にプラナリアが寄生性扁形動物の起源であることを踏まえると、プラナリアにおいて獲得された生殖様式転換機構が寄生性扁形動物の繁栄の原動力となっているという生物学的にユニークな仮説を提唱できる。その成果の先には世界規模で問題となっている吸虫類による健康被害の軽減に利用できるという社会への波及効果がある。
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