研究課題/領域番号 |
19H03283
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮澤 清太 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授(常勤) (10377905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 模様パターン |
研究開始時の研究の概要 |
動物の体表には多彩な模様パターンが見られます。本研究では、近縁の動物たちの間に見られるようなパターンの多様性(局所的多様性)や、遠縁の動物たちの間にグループをまたいで見られるようなパターンの多様性(大域的多様性)に注目します。これら2つの多様性や、それらに関わるパターン形成メカニズムの違いをふまえながら、模様パターンの多様性が「なぜ、どのように」生み出されてきたのかを明らかにすることを目指します。
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研究実績の概要 |
動物の体表には多彩な模様パターンが見られる。模様パターンの多様性は、個々の生物分類群に特有の「局所的多様性」と、系統をまたいだ複数の分類群に共通する「大域的多様性」という2つのレベルに分けることができると考えられる。本研究課題では、2つの多様性レベルとそれらに関わるパターン形成メカニズムの違いを踏まえながら、模様パターンの多様性が「なぜ、どのように」生み出されてきたのかを明らかにすることを目指している。本年度は、昨年度に引き続き、現生の魚類全科・全属の魚種を対象とした独自の大規模魚類模様パターンデータベースの構築および整備を進めた。さらに、これまでに蓄積してきた海産、淡水産を含む18,000種あまり、約4,000属の形質データをもとに、系統比較法(Phylogenetic comparative methods)の適用を試みた。本研究では魚類全体で頻出する11の模様パターンモチーフに着目しているが、系統比較法の適用にあたっては、モチーフ3つずつの組み合わせを取り上げ、それぞれのモチーフが独立に進化する独立モデルと、あるモチーフの進化(獲得・喪失)が他のモチーフの状態に依存して遷移する非独立モデル、さらに、3つのうち1つのモチーフのみ独立に獲得・喪失が生じる部分的独立モデルを考え、シミュレーションによる検討を行った。この結果、調査対象とした主要魚類10目中8目において、ある種の模様パターンモチーフ間の相関進化を示唆する結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で構築を進めている魚類模様パターンデータベースは、魚類以外の他の動物種を含め、他に類を見ない大規模かつ独自のものとなっている。蓄積した形質データと先行研究の系統情報とを用い系統比較法を適用することで模様モチーフ進化に関する新たな知見を得るという試みに一定の成果が得られていること、さらには比較ゲノム解析の基盤整備等も進めることができていることから、当初の研究計画に照らし、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
模様パターン進化解析のモデルとして多くの優位性をもつことが明らかとなってきたフグ目魚類をはじめとする各魚種について、模様パターンの解析および全ゲノムシーケンス解析を引き続き進め、系統・集団構造と模様パターンとの関連について明らかにしていく予定である。また、魚類模様パターンデータベースに蓄積してきたデータのさらなる活用を目指し、模様パターンの多様性、進化過程について新たな洞察を得られるよう研究を進めていく方策である。
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