研究課題/領域番号 |
19H03305
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
嶋永 元裕 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 教授 (70345057)
|
研究分担者 |
渡部 裕美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 准研究主任 (50447380)
野牧 秀隆 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 主任研究員 (90435834)
横山 祐典 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10359648)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | 熱水噴出孔 / 炭素同位体比 / ベントス / 群集 / 栄養生態 / 放射性炭素同位体比 |
研究開始時の研究の概要 |
①熱水噴出域(熱水域)に生息する微小底生動物(メイオベントス)の栄養源と栄養段階の多様性と、大型底生動物(マクロベントス)との被食‐捕食関係の解明 ②熱水域底生生物各種の成長に伴う有機物源の変化の解明 本研究では、今まで未解明だった上記二つの研究課題をターゲットとし、従来の安定同位体比と、本研究の要となる14C分析を用いて、各分類群の化学合成有機物への依存度を正確に評価することにより、熱水域の化学合成細菌からメイオベントス、マクロベントスまで含めた「真」の栄養生態の多様性の評価と、栄養生態からみた熱水種の熱水進入過程の理解を目的とする。
|
研究成果の概要 |
伊豆海域の海底火山カルデラや沖縄トラフの熱水域の熱水噴出孔表面や非熱水域海底から定量採集した底生生物の栄養生態を、炭素・窒素安定同位体比、および放射性炭素同位体比を用いて評価した。その結果、生息場ごとに熱水に由来する二酸化炭素と底層水の二酸化炭素への依存度が異なるほか、メタン由来炭素への依存度も明瞭に識別でき、熱水噴出孔周辺の環境勾配が生物の栄養生態に大きな影響を与えることが、従来の炭素窒素安定同位体比だけでなく放射性炭素同位体比を測定することにより明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来の安定同位体比分析だけでは細分化が困難だった、熱水固有底生生物の共生細菌を含んだ、熱水熱水域の主たる一次消費者である化学合成細菌の無機炭素源を放射性炭素同位体比分析によってより明確に分析可能であることを示し、これらの手法を用いて、熱水域底生生物群集の重要な構成要素でありながら、微小なため分類・生態学研究がすすんでいなかったメイオベントスの栄養生態の一端を明らかにしたことは、今後の熱水域生物群集の栄養生態および全貌解明の全貌解明の前進に大いに寄与すると自負する。
|