研究課題/領域番号 |
19H03312
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
松本 晶子 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (80369206)
|
研究分担者 |
粕谷 英一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00161050)
河村 正二 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40282727)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 集団生活 / 意思決定 / 捕食圧 / リーダーシップ / GPS / 危険領域 / リーターシップ |
研究開始時の研究の概要 |
動物は一般に、群れを形成することで捕食者対策上の利益を得る。霊長類の群れも捕食者対策として形成されたと考えられるものの、捕食される危険が高い移動時や夜間時における個体の直接観察が困難なために、群れ形成と捕食圧との関わりは未解明であった。本研究は、高性能イリジウムGPSロガーと暗視ビデオを野外調査に導入し、霊長類の群れが捕食圧によってどのように進化したのかを明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
動物は一般に群れることで捕食リスクを減らすが、捕食者が追跡型か待ち伏せ型かで、個体の空間的位置によって捕食リスクは異なる。本研究では、ヒョウ、ライオン、ハイエナの捕食にさらされている野生アヌビスヒヒ群の60%の個体にGPS首輪を装着して位置データを得た。このデータから捕食リスクを評価する5つの理論的な方法を計算した。結果、①オトナオスが捕食リスクの高い群れの端にいること、②オトナオスが群れ内でより孤立していたこと、③最も社会順位の高いオスも他のオスと同様に周辺部で孤立していたこと、が明らかになった。そこで、なぜオトナオスはより周辺部にいて孤立していたのかを考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、霊長類の群れ内の空間的位置による捕食圧の違いに関する検証を、従来のモデル研究からフィールド研究に広げた点に学術的意義がある。これは、初期ヒト科集団の群れ形成と行動モデルを実データで予想し、進化的適応の理解を深化させることに寄与する。また、GPSタグや加速度計を用いて動物の位置データを詳細に収集し、行動のビッグデータを記録することで、人間社会の意思決定プロセスの解明に寄与することが期待される。
|