研究課題/領域番号 |
19H03339
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松本 正幸 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50577864)
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研究分担者 |
小金澤 禎史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80431691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 外側手綱核 / 自律神経系 / ドーパミン / セロトニン / 情動 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らの先行研究が端緒となり、視床上部に位置する外側手綱核が動物の負の情動生成に重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。本研究では、外側手綱核との関係が注目されている鬱病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)において異常が生じる自律神経機能に着目し、外側手綱核が自律神経制御に果たす役割とその制御メカニズムを神経回路レベルで明らかにすることを目的とする。本研究で得られる成果は、自律神経制御の新たな神経基盤の理解につながるという学術的な価値に加え、鬱病やPTSDに関わる臨床研究にも大きなインパクトを与えると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、情動が自律神経制御に影響する神経メカニズムを検討した。特に負の情動生成に関わる外側手綱核を電気刺激すると、心拍数や血圧に変調が認められた。この効果は、ドーパミン受容体やセロトニン受容体の拮抗薬を投与することによって減少し、ドーパミン神経やセロトニン神経の起始核を不活化することによっても減少した。これらの結果は、外側手綱核が、ドーパミン神経系とセロトニン神経系を介して、抑制性に自律神経制御を担うことを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の研究は、外側手綱核の異常とうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)との関係について報告している。本研究で得られた成果は、情動が自律神経制御に影響する神経メカニズムを報告した学術的意義に加え、うつ病やPTSDで見られる自律神経機能の失調が、外側手綱核からドーパミン神経系あるいはセロトニン神経系につながる神経回路の異常によって引き起こされる可能性を示唆しており、これらの疾患の診断法や治療法の開発につながるものと期待できる。
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