研究課題/領域番号 |
19H03359
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱瀬 健司 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10284522)
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研究分担者 |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00379166)
木村 友則 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患研究開発・支援センター, センター長 (00631300)
秋田 健行 九州大学, 薬学研究院, 助教 (50294963)
井手 友美 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90380625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 分析化学 / 光学分割 / 多次元HPLC / 定量メタボロミクス / アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
定量キラルメタボロミクス実現のため、世界に先駆けて三次元LC分析基盤を開発し、腎・心不全の診断マーカーを探索する。これらは生活習慣を含む様々な要因で発症し、日本でも1000万人以上が罹患している。慢性化することが多く、早期診断が予防と治療に直結する。応募者は予試験を通しキラル識別により新規マーカーが発見でき、早期診断には微量キラル化合物を正確に定量する三次元LCの構築が有用となる確信を得た。本研究では定量三次元LC分析法を開発し、疾患モデル動物および臨床検体を用いた含量解析を行う。本研究の達成は侵襲性の低い血液・尿分析による腎・心不全の早期診断、鑑別を可能とし、人々の健康寿命延長に貢献する。
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研究成果の概要 |
腎不全の低侵襲早期診断法として、キラルメタボロームプロファイリングを利用した方法を開発した。各種アミノ酸・ヒドロキシ酸を対象として三次元LC装置を開発し、腎不全および健常群における含量解析を行った。三次元LC分析装置に関しては一次元目の逆相カラム、二次元目の陰イオン交換・ミックスモードカラム、三次元目の光学分割カラムの高性能化を行い、迅速化と選択性の向上を達成した。D-Ser、Ala、Asn、Proの血中含量は腎不全の病態進行とともに明確な含量上昇が確認された。また、腎不全検体には健常人に存在しない多数のD-アミノ酸が確認され、腎不全早期に鋭敏な血中含量変化を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎不全は様々な原因で発症するが、慢性型の患者が多く治療法決定につながる早期診断が鍵である。腎不全の低侵襲マーカーとしてはクレアチニンやシスタチンCなどが利用されるが、早期の検出感度が低く、原因疾患の特定能力も十分ではない。従って侵襲性が低く、軽症期から正確な鑑別を可能とする新規診断法の開発が切望されている。本研究ではキラルアミノ酸、ヒドロキシ酸の正確な分析を可能とする三次元LC法を構築し、これらのがヒト血液・尿中に存在することを示した。特に腎不全早期において鋭敏な変動を示すD-アミノ酸を発見した。本成果は人々の健康寿命を延長し、罹患者の生涯QOL改善に貢献できるものであり、社会的意義は大きい。
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