研究課題/領域番号 |
19H03381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 良明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 講師 (80707555)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | カルシウムシグナル / 血管平滑筋 / カベオリン / ミトフュージン / ジャンクトフィリン / CaMKK2 / 血管リモデリング / マクロファージ / カルシウムシグナリング / カベオラ / ミトコンドリア / 筋小胞体 / mitofusin / 蛍光イメージング / 興奮転写連関 / カルシウムマイクロドメイン / 転写 / Ca2+シグナル / 平滑筋細胞 / オルガネラ / リモデリング / Ca2+シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
平滑筋細胞 (SMC)の異常増殖は平滑筋リモデリングを基礎とする難治性慢性疾患の原因となる。長時間に及ぶSMCの増殖活動には、持続的な細胞内Ca2+シグナルが必要である。しかし、具体的にどのような機構が、各オルガネラのCa2+シグナルを持続化させるのか不明である。申請者は、足場タンパク質によるオルガネラの物理的近接化が、オルガネラ間の“Ca2+ネットワーク”を構築して細胞全体のCa2+シグナルの持続化を起こすと仮定した。本研究では、Ca2+ネットワークとその下流分子の活性化を可視化解析して、SMC増殖機構の新たな概念を確立することを目的とする。また、ヒト肺高血圧患者由来SMCなどを用いて、この概念の実証を行う。
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研究成果の概要 |
Ca2+は、細胞増殖や分化、細胞死など様々な生体現象に関与する。Ca2+チャネルとその下流分子はCa2+マイクロドメインを形成することで、刺激特異的な情報伝達を形成する。血管平滑筋細胞(VSMC)は血管中膜の構成細胞であり、血管径を変化させて血流を制御する。VSMCにおけるCa2+マイクロドメインの実体およびその意義については不明な点が多い。本研究では、caveolin-1やjunctophilin-2, mitofusin-2などの足場タンパク質がシグナル分子を集積させてCa2+マイクロドメインを形成し、血管張力や細胞増殖、リモデリング発生などに関わることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VSMCはCa2+シグナルを介した収縮・弛緩により血管径を制御し、全身の血流を適切に維持する。一方、VSMCの異常は高血圧や動脈硬化などの血管リモデリング疾患につながる。我々は、①caveolin-1やjunctophilin-2がCa2+濃度や収縮性を制御する機構、②mitofusin-2がCa2+シグナルを介したATP産生と細胞増殖を引き起こす機構、③caveolin-1がCa2+シグナルを炎症性の遺伝子に変換して血管リモデリングを誘発する機構を発見した。本研究成果は、VSMCによる血流制御機構の理解と血管リモデリング疾患の発症機序の解明およびその治療法の創出に結びつくと期待される。
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