研究課題/領域番号 |
19H03401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡村 康司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80201987)
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研究分担者 |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, フェロー (40162325)
河合 喬文 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70614915)
大河内 善史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90435818)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | イオンチャネル / ホスファチジルイノシトールリン酸 / 膜コンパートメント / 膜オルガネラ / ホスホイノシチド / PIP2 / 膜電位 / イノシトールリン脂質 / 電位セネンサー / 電位センサー |
研究開始時の研究の概要 |
ホスファチジルイノシトールリン酸(以下PIPs)は生体膜の成分であり膜コンパートメントの信号分子である。イオンチャネルは神経などの膜興奮の基盤である一方膜オルガネラ機能にも関わる。近年PIPsを操作する技術、構造生物学の進展が相まって、種々のイオンチャネルとPIPsの相互作用が示唆されてきたがPIPsによるイオンチャネル調節の生理的意義は旧来のリガンド応答の概念に留まってきた。本研究ではイオンチャネルの細胞内での適材適所な機能とPIPsとの関係に注目しVSPを分子ツールとして発展させPIPsによる電位依存性チャネルの制御を網羅的に解析し、PIPsによるイオンチャネルの制御機構と意義を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
電位依存性K+チャネルKv7.3(KCNQ3)とGABA(A)受容体について、PI(4,5)P2感受性の解析を行い、Kv7.3についてチャネル活性と同時に側方拡散におけるPI(4,5)P2結合の役割を解析することに成功し、チャネル活性と側方拡散への影響に相関があることを見出した。この発見は、従来PI(4,5)P2結合の役割としてゲーティング調節のみが知られてきたところ、初めてPI(4,5)P2結合によるイオンチャネルの膜内拡散の調節を見出した成果である。また分子ツールの汎用性を向上させるべくVSPの改変を行い、電位センサーと酵素活性のカップリングを増強した変異体を作製することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来イオンチャネルのイノシトールリン脂質(PIPs)による制御は、ゲーティング調節のみが知られてきた。今回一分子計測実験から明らかになったPIPsによるKv7.3の側方拡散の調節は、チャネルゲーティング調節以外の役割を初めて示したものである。またイオンチャネルのイノシトールリン脂質調節研究のスタンダードツールであるVSPを改良し、さらに強力なツールへ発展できたことは、今後親和性が極めて高い分子への適用が可能になり、脂質による調節が異常になることで生じる、遺伝性てんかんや不整脈などの病態の本質的な解明につながると期待される。
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