研究課題/領域番号 |
19H03463
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
津久井 久美子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (00420092)
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研究分担者 |
野崎 智義 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60198588)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | イノシトールリン脂質 / 赤痢アメーバ / PTEN |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では真核生物に保存するホスファチジルイノシトール(PtdIns)シグナルが関与する貪食、小胞輸送、核内脂質代謝等の分子過程を腸管寄生性原虫赤痢アメーバにおいて明らかにする。 赤痢アメーバの生存や病原性にPtdInsが重要な役割を持つことが示されてきた。しかし7種類のPtdInsアイソタイプの検出、エフェクターの同定、シグナル伝達分子の実体について解析は進んでいない。本研究ではPtdIns代謝酵素の解析から赤痢アメーバのPtdInsシグナルの理解を目指す。本研究の成果は真核生物におけるPtdInsシグナルの普遍性を示し、赤痢アメーバの生物学、病原機構、薬剤標的に新たな知見を与える。
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研究成果の概要 |
赤痢アメーバ原虫におけるホスファチジルイノシトール(PtdIns)シグナルの解明を行った。3位の脱リン酸化酵素であるEhPTEN1の解析から、貪食とエンドサイトーシス制御にそれぞれPtdIns(3,4,5)P3, PtdIns(4,5)P2が重要であった。核内PtdIns4Pは赤血球依存的に代謝され、PtdInsPおよび関連分子の局在を観察した。本原虫におけるPtdInsP代謝の重要性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究より赤痢アメーバにおける貪食、エンドサイトーシス、細胞運動、細胞増殖、小胞輸送、核内応答にPtdInsシグナルが関与することを示した。細胞表面での応答にPtdIns(3,4,5)P3とPtdIns(4,5)P2が、小胞輸送にPtdIns3Pが関与することはモデル生物と類似する。一方でPtdIns(3,4,5)P3量が増加するPTEN発現抑制株での増殖阻害、核内PtdIns4Pの代謝、PtdInsPプローブの局在など、赤痢アメーバ独自の現象を見出した。今後これらの知見の分子基盤を明らかにすることで、新規創薬標的の発見、PtdInsシグナルの生物学に新たな知見を与えることが期待される。
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