研究課題/領域番号 |
19H03498
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大島 浩子 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (80362515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大腸がん / 転移 / 微小環境 / 線維化 / オルガノイド / 繊維化 / 悪性化 / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
転移をともなう大腸がん患者の生存率は低く、転移機構の解明と新規治療法の開発は、大腸がんによる死亡率低下に重要な研究課題である。転移した大腸がん組織の間質には、マクロファージ浸潤や線維芽細胞の増殖による間質増生が認められ、このような炎症性および線維性微小環境の形成が転移・再発過程で重要な役割を果たすと考えられるが、その分子機構は未だ明らかにされていない。本研究では、確立したモデルを用いて、大腸がん転移巣形成における炎症性・線維性微小環境の役割を個体レベルの研究で明らかにする。得られる研究成果は、宿主側因子による転移再発促進機構を標的とした、大腸がん転移の治療予防戦略の確立に貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
炎症反応や線維性微小環境の形成は、発がんに重要な役割を果たすことが示されているが、転移などの悪性化過程における役割は未だ不明な点が多い。本研究では、マウス腸管腫瘍由来オルガノイドの移植モデルを用いて、大腸がん肝転移機構の解析を行なった。その結果、転移性がん細胞が肝臓に到達すると、肝星細胞の活性化により線維性微小環境が形成され、がん細胞の生存と増殖を促進することが明らかとなった。さらに、宿主側のTGF-βシグナルや自然免疫、炎症反応が、線維性微小環境形成と肝転移巣形成に重要な役割を果たすことが、個体レベルの解析により明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発がん過程における炎症性微小環境の役割について研究が進み、発がん予防戦略に重要な知見を与えている。一方で、転移などの悪性化進展過程における微小環境については、未だ不明な点が多い。本研究では、腸管腫瘍の肝転移過程における線維性微小環境の役割に着目し、ヒト大腸がん細胞の遺伝子変異を再現したマウスオルガノイドの移植モデルを用いて、線維性微小環境の形成機構とその重要性について明らかにした。以上の研究成果は、転移巣形成機構の理解を広げ、将来的な転移がんに対する治療戦略にも貢献が期待される。
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