研究課題/領域番号 |
19H03499
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 邦夫 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90201780)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | がん転移 / がん微小環境 / 環状ペプチド / 細胞増殖因子 / 分子イメージング / 増殖因子受容体 / HGF / MET / 転移 / 薬剤耐性 / チロシンキナーゼ / 高速原子間力顕微鏡 / 増殖因子 |
研究開始時の研究の概要 |
増殖因子活性分子種の特異的検出・阻害はがん微小環境形成機構の理解に必須である。私たちはMET/HGF受容体に高親和性結合する環状ペプチド、活性型HGF(tcHGF)にのみ特異的に結合・阻害する環状ペプチドそれぞれを取得した。本研究は、環状ペプチド化学と連携し、HGFの活性化機構の解明、がん転移ニッチ形成におけるtcHGFの機能、MET活性化がん細胞の検出を検証する。環状ペプチドは抗体に匹敵する高い標的特異性をもつことに加え、分子修飾の容易さ、小さい分子サイズなど優位性をもつ。がん転移や薬剤耐性をもたらすがん微小環境の新しい理解、診断・治療の基礎技術の確立を環状ペプチドとの融合研究により進める。
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研究成果の概要 |
HGF-MET受容体系シグナルの活性化は、がん転移・薬剤耐性に関与することから、HGFの特異的検出・阻害はがんの診断・治療につながる。HGFに高い親和性・特異性で結合し、HGFを阻害する環状ペプチドHiP-8を取得するとともに、HiP-8はPETイメージング診断用分子として優れた性能をもつことを見出した。一方、肺転移モデルを用いて、MET活性化を介したがん転移微小環境形成機構、HiP-8による肺転移抑制を明らかにした。高い標的特異性や組織集積性をもつ環状ペプチド分子技術は、がんの基礎研究・診断・治療に飛躍的進展をもたらすことが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環状ペプチドをファルマコフォアとして、抗体並みの高い標的特異性もつ高性能創薬候補分子を創成できる。本研究ではHGFに対して高い特異性で結合し、同時にHGFを阻害する環状ペプチド(HiP-8)を取得することに成功した。また、標識HiP-8分子を検出用分子として、ヒトがん移植マウスモデルでPET診断を実施し、HiP-8はPET診断用分子として高い性能をもつことを検証した。HGF-MET受容体系を含め、細胞増殖因子受容体の活性化は、発がん、がん転移や薬剤耐性に代表される治療抵抗性に関与する。本研究で取得された分子・技術は、細胞増殖因子・受容体活性化の特異検出のための診断・治療につながると期待される。
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