研究課題
基盤研究(B)
タンキラーゼは、テロメアの伸長やWntシグナル伝達、細胞運動・浸潤といった様々ながん形質を支えるポリ(ADP-リボシル)化酵素である。我々が創製したタンキラーゼ阻害剤は、大腸がん細胞のWntシグナルを遮断し、マウス移植腫瘍の増殖を抑制する。本研究は、タンキラーゼ阻害剤の制がん効果を最大化する患者層別法もしくは併用療法を非臨床レベルで考案することを目的とする。具体的には、阻害剤の効果予測バイオマーカー、がん幹細胞に対する効果、合成致死因子、併用療法に適した薬剤を明らかにする。これらの少なくともいずれかを完遂することで、タンキラーゼ阻害剤の臨床開発の成功確率が向上すると期待される。
タンキラーゼと呼ばれるポリ(ADP-リボシル)化酵素の特異的阻害剤は、大腸がんなどで活性化したWnt細胞増殖シグナルを遮断し、制がん治療効果を示す。本研究は、我々が開発したタンキラーゼ阻害剤の用途最適化を目指し、治療効果を予測するバイオマーカー、再発の原因となるがん幹細胞に対する効果、治療効果を増強させる合成致死因子、細胞傷害性抗がん剤との併用効果を明らかにした。
我が国では、高齢化・欧米食・肥満などの危険因子が蔓延し、年間5万人以上が大腸がんで死亡している。特に、治癒切除不能な再発・転移がんの根治的薬物療法は未確立であり、新薬の開発・提供が切望されている。今回得られた研究成果は、これまでに難攻不落とされてきたがん増殖シグナルを特異的に攻略する、革新的がん創薬の成功確率を向上させるとともに、がん個別化医療の発展につながるものである。
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