研究課題
基盤研究(B)
心不全患者は世界的に増加している。また、心臓組織のリモデリングを背景に生じる心不全が増加しており、そのメカニズムの理解と治療法の開発は喫緊の課題である。本研究では、心臓に与えられる機械的・物理的な刺激と、加齢に伴う変化がお互いに関連し合いながら心不全をもたらすと考え、その解析から、新たな心不全のメカニズムの理解を進める。特に、細胞間の相互作用と、エピゲノムの制御に着目した研究を行う。
心不全患者はパンデミックと捉えられるほど急増している。特に線維化等による心臓組織の改変が高齢者心不全には重要であり、新たな観点からの心不全分子機序の解明と治療法の開発が喫緊の課題となっている。我々は、機械的なストレス(メカニカルストレス)と加齢(エイジング)への応答機構が様々なレベルで連結していると考えた。メカニカルストレスとエイジング応答の連鎖による心機能障害を「メカノエイジング」と捉え、新しい心不全発症機序を明らかにすることを目的として研究を進めた。その結果、メカニカルトレスとエイジングに共通する心臓組織マクロファージの変化や、その変化によって心臓恒常性を変調させるメディエータを同定した。
従来の心不全の研究は主に心筋細胞に着目していたが、急増している高齢者の心不全では心臓組織のリモデリングが特徴であり、心筋細胞に加えて、線維芽細胞や内皮細胞、マクロファージを始めとする免疫細胞の相互作用によって形成されると考えられる。本研究では、メカニカルストレスと加齢で共通してみられる心臓の変化について、特に細胞間のコミュニケーションに着目して検討を進めた。その結果、心臓組織マクロファージの変化を見いだし、心臓恒常性の変調をもたらす可能性が高いマクロファージ由来のメディエータを同定した。マクロファージの変化や同定した分子の解析を進めることによって、新たな診断治療標的を同定できると考えられる。
すべて 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 6件、 招待講演 26件) 備考 (3件)
International Immunology
巻: 34 号: 2 ページ: 81-95
10.1093/intimm/dxab036
Nat Commun.
巻: 12(1) 号: 1 ページ: 1910-1910
10.1038/s41467-021-22178-0
Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 118 号: 35
10.1073/pnas.2102895118
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 117 号: 25 ページ: 14365-14375
10.1073/pnas.2005924117
Frontiers in Cardiovascluar Medicine
巻: - ページ: 64-64
10.3389/fcvm.2020.00064
http://plaza.umin.ac.jp/manabe