研究課題/領域番号 |
19H03806
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小島 博己 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60234762)
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研究分担者 |
山本 和央 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50408449)
森野 常太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00796352)
葛西 善行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60813889)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 細胞シート / 中耳再生治療 / 鼻腔粘膜 / 作用機序解明 / 動物実験 / 鼻腔粘膜細胞シート / 再生医療 / 作用機序 / 移植後の機能 / 作用機序の解明 / Ex vivo実験 / In vivo実験 / 動物モデル実験 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対して自家鼻腔粘膜細胞シートを鼓室形成術後の中耳に移植して中耳粘膜を早期に再生させ、術後再発を防止するという新規再生医療研究を進めてきた。この治療方法を実用化させるために、本細胞治療の有効性を示すことが重要である。 本研究では、骨面移植を模倣したex vivoモデル、動物モデル実験、中耳手術症例による中耳粘膜解析を行う。細胞シートか中耳の骨表面に生着後、どのような挙動で病態を抑止するのかを解明し、細胞治療の有効性におけるエビデンスの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、移植後の鼻腔粘膜細胞シートの作用機序解明を目指した実験を行った。まず、Rho kinase inhibitorとCa2+の濃度を検討し、安定して作製する条件を見出した。この細胞シートはコラーゲンゲル上に接着して増殖することができ、創傷治癒能が備わっていることが示唆された。最適化した条件で培養を行うことでGFPラット由来の鼻腔粘膜細胞シート作製に成功した。ヌードラットの中耳に鼻腔粘膜細胞シートを移植するモデルを用いて、移植した細胞が一定期間存在し、中耳粘膜様の上皮細胞を呈することを確認できた。本研究成果として、接着および移植後の鼻腔粘膜細胞シートの挙動の一部を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒト鼻腔粘膜細胞シートのコラーゲンゲル上へ接着して増殖していること、ならびにGFPラット由来鼻腔粘膜細胞シートが免疫不全ラットの中耳内で一定期間生着していることを示した。これより、生着して創傷面を覆うように増殖するという細胞シートの移植効果の一部を明らかにし、臨床結果の有効性を裏付けるエビデンス構築につながると考えられた。 本研究成果により、頻繁に再発する中耳真珠腫に対する治療法として、実用化に向けた取り組みや、さらなる効果を持つ治療への発展につなげ、患者のQOLを向上させたい。また、粘膜の再生が治癒のカギとなり得る他領域の病態に向けての臨床応用が期待できる。
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