研究課題/領域番号 |
19H03976
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (40379110)
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研究分担者 |
野原 幹司 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (20346167)
坂本 尚久 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (20402745)
吉永 司 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50824190)
和田 成生 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70240546)
山田 朋美 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (70452448)
笹井 正思 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90283796)
阪井 丘芳 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (90379082)
滝口 哲也 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40397815)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 構音 / 数値計算 / 空力音響 / 構音障害 / 調音結合 / 医療情報 / 機械学習 / 可視化 / 解剖学的形態 / 病理 / 深層学習 / シミュレーション / 空力音 / 統計的形状 / 自己教師あり学習 / 舌癌 / 口唇口蓋裂 |
研究開始時の研究の概要 |
構音障害は器質的な口腔領域の変化が音の発生過程に影響を及ぼすことで発生し,臨床現場では医学的知識を基に直感的且つ経験的にリハビリテーションを行うことで改善を図っているが,口腔形状の変化と聞き取られる音との関係が線形ではないため,直感的な対応が困難である.そこで本研究では,医療情報と音の発生メカニズムを基盤として,そこに潜む障害の病理を見つけ出し,それを制御するための知識を構築し,医療情報を媒体として基礎(研究)と臨床(リハビリテーション)が融合した予測医療の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
舌先端付近の挙上を再現する[s]構音単純モデルを用いて、[s]を含む音節調音時に総音圧レベルと舌挙上速度との間にヒステリシスが存在することを突き止めた。[s]や[sh]の音響スペクトル特性の個人差は、上顎中切歯と上顎前方の舌との狭窄の距離から生じることを発見した。 臨床的な意義として、上顎総義歯中切歯の歯軸傾斜角度の違いによる[s]音への影響を、数値解析し、角度が大きいと8~12kHzの周波数帯域が減少するメカニズムを突き止めた。また口唇口蓋裂や舌癌既往の患者に関して、ニューラルネットワークを用いた自己教師あり学習を行い、患者の音声特性を反映した音声認識の実現可能性に関して有効性が確かめられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会を構成する人々が健康で文化的な生活を営む上で、音声言語による会話は重要なヒトの機能の一つである。そのため、構音障害をもつ方々のリハビリテーションを支援する理論やデバイスの開発が,ダイバーシティ&インクルージョンの観点からも急務である。本研究成果は、音声言語を構成する全ての音素や単語を網羅していないが、構音障害の理解とリハビリテーションにつながるアプローチの仕方は、その他の音声言語研究に有効であろう。特に空力音響学に基づいた構音障害が生じるメカニズムの解明は、これまで医療関係者が経験則からでも想定することが困難であった、非線形物理現象を理解する上で貴重な指標となると予想される。
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