研究課題/領域番号 |
19H04170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
松原 繁夫 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 特任教授(常勤) (80396118)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | マルチエージェントシステム / 集合知 / インセンティブ設計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、人と機械の組織形成による問題解決という観点から、多様性予測定理を基礎に、予測多様性の維持・拡大、平均個人誤差を削減する方法の考案である。本目的を達成するため、(1)予測多様性維持法の考案:感染モデルに基づく最適予測者集団の選択、(2)予測多様性拡大法の考案:報酬支払いによる多様性の拡大制御、(3)平均個人誤差削減法の考案:認知バイアスの除去、を実施する。人と機械の協働を組織形成による問題解決と捉え、集団的誤差の削減を実現する点に独自性があり、また、人と機械の協働に関する理論の深化、および、予測問題における精度改善する点に創造性がある。
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研究成果の概要 |
人と機械の組織形成による問題解決法の確立に向け、集合知の基礎理論である多様性予測定理の考え方を予測問題から様々な問題に展開した。集団が発揮する性能は個々人の能力と多様性から決まるという観点から、協調の促進および共謀の抑制を考察した。具体的には、(1)予測多様性維持法として、逐次クラウドソーシングにおける効率的なタスク分割法の考案、(2)予測多様性拡大法として、フリーフロート型カーシェアリングにおける乗車需要と車両配置の不均衡を解消する、参加者間の契約に基づく分散制御法の考案、(3)平均個人誤差削減法の考案に向けた通販サイトでの評判システムにおける買収行動の均衡分析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、人と機械の協働を人と機械の組織形成による問題解決と捉え、クラウドソーシングにおけるタスク割当て、カーシェアリングの分散制御、評判システムの戦略的操作など予測問題と異なる問題領域でも多様性予測定理の考え方に基づく問題解決が有効であることを示した。これは、これまで別々に扱われてきた問題を人と機械の組織形成という観点から統一的に取り扱える可能性を示すもので、集合知の理解を一歩進めるものとなっている。本成果は、人工知能に関する最難関会議での採録や、エージェントに関する国際会議での最優秀論文賞の受賞に見られるように高い評価を受けている。
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