研究課題/領域番号 |
19H04290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (30292890)
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研究分担者 |
飛野 智宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (90624916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 環境DNA / 底生生物 / 底泥 / 分解 / 捕食者 |
研究開始時の研究の概要 |
水域生態系がどうなっているのか、という基礎情報が不十分なまま進められている現状の水生生物保全関連施策を見直すためにも、高頻度・高密度で実施可能な環境DNAを用いた生態系調査手法の確立、特に定量的評価手法の検討は急務である。本研究では、底泥中での環境DNAの起源を複数想定し、それぞれについての分解特性を実験的に明らかにし、定式化を図ることを目的とする。新規性は①環境DNAを底泥に適用し、②実態に即したDNA起源を調製し分解試験を行う点にある。予備的な検討により、起源の違いで分解速度定数が10倍異なることを報告しており、3年間の研究でより体系的な起源試料調製と分解試験を実施し定量手法の確立を図る。
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研究成果の概要 |
底質中DNAの分解動力学に着目し、ニホンドロソコエビを対象生物と設定して環境DNAの起源となる試料を調製し、それらの室内分解実験を体系的に実施した。対象生物の死骸と上位捕食者の糞を分解実験に供することに成功した。室内分解実験により前者のDNA分解速度は後者よりも大幅に大きく、既報の成長過程での生成物の分解よりも早かった。環境DNA分析で底質から検出されるものとして捕食魚類の糞の重要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境DNA分析は環境中の何を測っているのか、を知ることは、対象生物の定量的推定や効率的なモニタリング実施において重要な情報であるが、知見が限られている。本研究では、捕食者糞中DNAはほぼ分解されず、死骸由来DNAは環境中でより分解されやすいことが示唆された。今後の調査においては捕食生物も含めた網羅的なDNA分析をすることが望ましい。
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