研究課題/領域番号 |
19H04303
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野瀬 健 九州大学, 基幹教育院, 教授 (10301334)
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研究分担者 |
友原 啓介 九州大学, 基幹教育院, 助教 (40711677)
巣山 慶太郎 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60707222)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | ペプチド / コアセルベーション / 吸着 / 環境化学物質 / 化学物質吸着 / エラスチンペプチド / 自己凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生分解性を持ち環境負荷が小さなタンパク質を構成するアミノ酸を原料とする温度依存的可逆自己凝集(コアセルベーション)能を有する合成ペプチドを母体として、化学物質の吸着能を有する素材を開発する。これまでの研究で開発された、低濃度かつ室温付近でコアセルベーションを起こす合成ペプチドを用いて、水中の化学物質を吸着除去可能なバイオ素材、および、それを用いる有害物質の回収システムの試作を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、温度に応答して溶液中で凝集と解離を起こす自己凝集性ペプチド・エラスチンペプチドアナログを合成、開発し、その機能を引き起こすために必要な、もしくは、その機能を増強するアミノ酸残基や配列を明らかとした。その結果、従来の25アミノ酸が必要であったペプチド鎖長を20残基まで縮減するなど、幾つかの高機能アナログを見いだす事に成功した。さらに、エラスチンペプチドアナログの環境化学物質の結合性や、それへ金属結合配列を搭載することでカドミウム等への金属結合性が発揮されることを見いだした。このように、本研究で見いだしたペプチドアナログの環境汚染物質吸着剤としての応用の可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義としては、エラスチンペプチドアナログが温度に応答して自己凝集を起こすのに必要なアミノ酸数を大きく減少させる事ができたことが挙げられる。これは、化学合成を容易にするのみならず、合成に関するコストを低減することにも役立つ。 社会的な意義としては、天然アミノ酸のみからなるエラスチンペプチドアナログが環境化学物質を結合したり、やはり天然アミノ酸のみからなる金属結合配列を付加することで、溶液中のカドミウム等の金属を結合し、温度に応答して沈殿を生じて溶液から除くことができることが判明したため、今回開発したペプチドが環境負荷の小さな環境化学物質の吸着剤としての利用が見込まれることである。
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