研究課題/領域番号 |
19H04321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
伊村 智 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (90221788)
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研究分担者 |
中澤 暦 富山県立大学, 工学部, 講師 (10626576)
永淵 修 福岡工業大学, 付置研究所, 研究員 (30383483)
金藤 浩司 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (40233902)
辻本 惠 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 講師 (90634650)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 人新世 / 地球環境 / 環境モニタリング / コケ植物 / 植生コア / 重金属 / 地球環境モニタリング / 環境変動 / 南極 / 陸上植生 |
研究開始時の研究の概要 |
全球的な大気循環の最終的な収束の場である南極は、地球環境モニタリングの最適地とされてきた。その南極では、比較的薄いコケ植物を中心とした植生に、数百年にわたる環境情報が保存されている。本研究では、南極域から採取した植生の柱状試料(コア)に精密な年代測定により時間軸を設定し、環境指標としての生物種構成と群落構造の変化、紫外線照射量の指標としての植物の紫外線吸収色素量、南極外からの人為的汚染の指標としての水銀等重金属蓄積量等を解析する。これにより、地球温暖化の進行や工業化による環境汚染の進展などを包含する「人新世」の約350年スケールの時間軸の中で、人間活動が地球環境に及ぼしてきた影響を評価する。
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研究成果の概要 |
南極地域に生育するコケ植物植生コアの解析によって、人新世における人間活動が地球環境に及ぼしてきた影響を知る事を目的として研究を進めた。ところが、本研究課題がスタートした2019年度末に拡大したコロナ禍の影響をまともに受けることとなり、研究計画の主要部分である豪州の研究協力者との共同研究による色素分析、および英国の研究協力者に依頼しての年代測定を実施することができなかった。このため、コアの時間軸解析を断念し、南極昭和基地および周辺地域から採取された土壌中の水銀含有量の分析に方針を転換して南極における重金属汚染のバックグラウンド値、および昭和基地活動などが与える影響の面的な評価に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いわゆる「人新世」において、人間活動が地球環境に及ぼしてきた影響を知ることは、過去の歴史の理解に留まらず、将来の環境変動予測のために極めて重要である。南極地域に生育するコケ植物からなる植生コア中の重金属を分析することにより、南極外からの環境汚染の影響と共に、昭和基地などの南極観測活動が現地環境に及ぼす影響も検出できる。これによって、地球温暖化の進行やオゾンホールの発達、工業化による環境汚染の進展などを包含する「人新世」の約350年スケールの時間軸の中で、人間活動が地球環境に及ぼしてきた影響および将来の環境変動予測のための極めて重要な情報を提供する。
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