研究課題/領域番号 |
19H04332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 東京経済大学 (2020-2022) 岩手大学 (2019) |
研究代表者 |
佐藤 一光 東京経済大学, 経済学部, 准教授 (40726866)
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研究分担者 |
斉藤 崇 杏林大学, 総合政策学部, 教授 (50424213)
吉弘 憲介 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (50537628)
徐 一睿 専修大学, 経済学部, 教授 (50579331)
澤田 英司 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (70458925)
山川 俊和 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (70572395)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 木質バイオマス / 再生可能エネルギー / 地域経済 / FIT / 森林環境税 / 林業労働 / 産業連関 / 地域際収支 / 脱炭素 / 森林・林業・林政 / 地域間産業連関表 / 空間経済学 / 地域社会経済 / 財政政策 / 気候変動 / 静脈産業 / 地域産業 / 林業 / 中国経済 / 木材バリューチェーン / 地域間再分配 / マネーフロー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は空間、地域、政策に焦点を当てて「木質バイオマス経済」の持続可能性について検討を行うものである。「木質バイオマス経済」とは林業によって木材を生産し、それを燃焼させることによって発生させる熱を利用して地域の給湯需要や暖房需要、電力需要をまかなう分散型の再生可能エネルギー利用とそれに伴う経済の地域的循環のことである。「木質バイオマス経済」においては燃料となる木材を輸送する距離や熱・電力を供給する距離などの[空間的条件]、林業や地域の木材産業等との綿密な連携を維持するためには人的ネットワークなどの[地域的条件]が、資源・エネルギー・経済の循環を維持させるためには[政策的条件]が重要となる。
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研究成果の概要 |
カーボンニュートラルを実現するためには再生可能エネルギーの普及が重要である。しかし、普及に伴い生産費用が逓減する太陽光・風力発電とは異なり木質バイオマスは費用の減少が見込めない。我々は木質バイオマスのエネルギー利用に際する特徴的な経済構造を<木質バイオマス経済>と定義して多角的に調査研究を行ってきた。財の移動が空間的に制限されること、財の生産が土地の特性に強く依存すること、持続可能な森林のためには再造林のためにより多くの資源を投入する必要があること、地域の雇用源となること、地域間の資金収支を調整すること、長期的に炭素シンクとなることなど、論点の整理と深化に貢献することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
木質バイオマスをエネルギー利用する際に、遠方まで運ばずに地域内で利用することが費用効率性の観点から望ましいだけではなく、地域における産業を育成して雇用を創出する観点からも望ましいということを明らかにすることができた。特にFITや財政を通じて、林業と木質バイオマス経済が地域経済の発展を支えるために地域外から貨幣を獲得する産業(Export Base)となっていることを研究史上初めて明らかにした意義は、学術的にも社会的にも大きい。もっとも、低質な林業労働と再造林の停滞といった課題も抱えていることも明らかになっており、政策的対応について検討を重ねる必要がある。
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