研究課題/領域番号 |
19H04430
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野口 泰基 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90546582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 認知科学 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化が急速に進む日本において、記憶の減退は深刻な社会問題を引き起こしている。特にワーキングメモリ(WM)は注意と密接に連携し、会話・読書・計算など日常の様々な心的活動を支える重要な機能である。だが WM の神経的な基盤については未だに不明な点が多く、激しい議論が行われている。本研究はヒトを対象としたマクロ的な神経活動の記録法に、独自開発した inter-peak interval 解析を組み合わせ、WM を支える脳の認知的メカニズムを探る。さらには非侵襲的な脳刺激法を用いて、記憶力の人為的な操作を試みる。
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研究成果の概要 |
記憶と注意、特にワーキングメモリに着目し、健常人を対象としてその神経基盤を調べた。その結果、アルファ・ベータ波と呼ばれる 8- 30 Hz の神経律動信号が、視覚性ワーキングメモリの保持に深く関わることが分かった。具体的には、ワーキングメモリ内に保持する情報量や鮮明度に応じて、その律動リズム(振動の速さ)が変化することが分かった。また同じ帯域の律動信号は、言語性ワーキングメモリの保持にも関わることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来はサルなどを対象に神経律動信号の振幅とワーキングメモリの関係を示した研究が多かった。対して、本研究はヒトを対象として律動信号の速さとワーキングメモリの関係を示した。またワーキングメモリは、会話・読書・計算など日常の様々な場面で用いられる重要な能力である。本研究はその神経基盤を明らかにすることで、将来的に考えられる様々な社会応用(記憶力の向上トレーニングやアンチエイジング療法など)への足掛かりを築いた。
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