研究課題/領域番号 |
19H04439
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
興津 輝 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10378672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 初代肝細胞 / 細胞培養システム / 細胞ファイバ技術 / コアシェルマイクロファイバ / ヒト初代肝細胞 / ラット初代肝細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞ファイバ技術を応用し、長期間に渡り初代肝細胞の細胞分裂能と代謝/分泌能を維持できる培養システムを開発する。具体的には、直径数100μmのコアシェルマイクロファイバのコア部分に初代肝細胞を細胞外マトリックスとともに封入し、3次元培養する。シェルはアルギン酸ハイドロゲルであり、培地中の成長因子などの可溶性物質がコア部分の初代肝細胞を刺激することができる。まずは、ラット初代肝細胞を用いて概念実証を行い、次にヒト初代肝細胞に移行する。本研究にて開発される培養システムは、初代肝細胞培養を必要とする、医学、医療、創薬の分野に革新をもたらすことができる培養システムとなる可能性をもつ。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、細胞ファイバ技術を応用し、細胞分裂能と代謝・分泌能が維持されたまま、ヒト初代肝細胞を長期間培養できるシステムの開発である。まずは、ラット初代肝細胞を用いて概念実証を行い、次にヒト初代肝細胞に移行することを目指した。初期細胞密度・成長因子の培地への添加条件の最適化により、コアシェルマイクロファイバ内でラット初代肝細胞を増殖させ、長期培養することに成功した。続いて、創薬・移植医療分野への当該培養システムの応用可能性を示すことができた。最終年度に予定していた、ヒト初代肝細胞を用いた実験は、研究費の再繰越が、連絡の行き違いにより期限を過ぎてしまったことにより、実施できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、簡便な培養システムの開発により、肝細胞が、細胞分裂能と代謝・分泌能を維持したまま、長期生存できる環境を生体外に構築できることを実証したことである。また、その社会的意義は、当該培養システムの創薬・移植医療分野への応用可能性を示したことである。肝臓は、生体の恒常性維持に寄与する重要臓器のひとつである。肝臓を構成する主要細胞である肝細胞の機能を生体外で長期間維持できて、かつ、他施設への普及が容易である培養システムの開発は、医学分野での生理・病理の理解にくわえ、医療/創薬分野における治療法/薬剤の開発・標準化に少なからず貢献をすることが期待される。
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