研究課題/領域番号 |
19H04447
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中山 泰秀 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50250262)
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研究分担者 |
穴井 博文 大分大学, 医学部, 教授 (20291544)
寺澤 武 旭川医科大学, 医学部, 講師 (20815401)
岩井 良輔 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 講師 (60611481)
宮本 伸二 大分大学, 医学部, 教授 (70253797)
西邑 隆徳 北海道大学, 農学研究院, 教授 (10237729)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | バイオチューブ / 生体内組織形成術 / 再生医療 / 組織工学 / 血管 / 移植 / 動物実験 / 人工血管 / 重症下肢虚血 / バスキュラーアクセス |
研究開始時の研究の概要 |
重症下肢虚血(CLI)患者に対して年間数万人の足切断が行われている。また、30万人以上の透析患者の約半数が毎年のようにバスキュラーアクセス(VA)血管トラブルを繰り返し、数ヶ月毎に狭窄を頻回に繰り返す例も少なく無い。一方、組織工学的手法による5mm 以下の小口径人工血管の開発例は近年多い。しかし、数十cm を超える長さは実現できず、臨床ニーズに根ざしているとは言えない。50cm以上の長い小口径組織工学人工血管の製造法を確立させ、動物移植実験によってCLI 用の動脈バイパス血管やAV 用のシャント血管としての長期信頼性を確かめ、異種移植の可能性も見出し、透析分野での臨床応用をめざす。
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研究成果の概要 |
膝下バイパス術に使用できる小口径の長い人工血管は世界に存在しない。我々は体内組織構造(iBTA)と呼ぶ完全自家アプローチを使用してバイオチューブと呼ぶ組織工学血管を開発した。バイオチューブ作製用鋳型を開発した。ヤギに所定期間(1~3か月間)皮下埋め込みした。得られたバイオチューブは、内径4mm、長さ50cm以上、壁厚約0.6mmであった。すべてのバイオチューブは完全に曲げても折れず、200mmHgの水圧で変形や漏れはなかった。破裂強度は約2500mmHgであった。バイオチューブは動脈に匹敵する特性を持っていることが確認され、下肢動脈バイパスや透析血管としての応用可能性を示せた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膝下でのバイパス術に使用可能な細く長い人工血管は存在しない。自家静脈を使うバイパス術では、採取しても脆くて使えない、あるいは既に他手術で使われている場合には実施できない。年間約1万人が足切断に至り、その後1年の死亡率は25%と生命に直結する。本研究において、皮下に1ヶ月間型を埋植するだけで長さ50cm以上の小口径人工血管を開発できた。経済性、汎用性に優れているため、医療費の大幅な低減をもたらせると考えられる。また、移植後速やかに自己再生が起こることが確認できたため、小児患者に対して再手術の必要の無い、成長する移植体を提供する社会貢献も期待できる。
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