研究課題/領域番号 |
19J22469
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
朴 貴煥 岐阜薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2019-04-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2020年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2019年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 不均一系触媒 / 重水素標識 / アリルアルコール / フロー式反応 / 連続フロー合成 |
研究開始時の研究の概要 |
水素(H)の安定同位体である重水素(D)で標識された重水素標識化合物は、代謝経路や有機反応の機構解明など幅広い研究分野で利用されている。最近では、同位体効果に基づく生体内代謝遅延を期待した重水素標識医薬品や、性能や耐久性を向上させた重水素標識機能性材料が注目されている。本申請研究は、重水素標識医薬品や機能性材料の合成前駆体として有用なオレフィン化合物の重水素標識法を確立する。また、フロー反応は微細な流路に反応液を送液して目的化合物を連続合成する方法論であり、重水素標識化合物の工業的合成法の開発を目的とした連続フロー式重水素標識法の達成も目指す。
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研究実績の概要 |
1. アリルアルコールの重水素標識反応 第三級アリルアルコールを基質として、10% Pt炭素存在下、アミルアミン、アクリル酸メチルをメチルシクロヘキサン/重水中で加熱攪拌すれば様々なアリルアルコールのアルケン部位を重水素標識できることを明らかにした。アリルアルコール分子内に芳香環やアルケンなどの官能基、すなわちsp2炭素に結合した水素が共存しても、アリルアルコールのアルケン選択的に重水素が導入される。アリルアルコールをアセチル保護して重水素化すると反応効率が大幅に低下する。またアリルアルコール水酸基をベンジル基に変換すると、重水素化の選択性が消失してsp3炭素上の水素も重水素に交換される。アリルアルコールの水酸基が配向性官能基として作用し、アルケン選択的H-D交換反応を促進していることが明らかになった。 2. フロー式重水素標識反応の開発 2-PrOHと重水の混合溶媒に溶解した芳香族化合物のフロー式重水素化反応を確立した。この反応は、触媒カートリッジ内で2-PrOHの脱水素反応を進行させて、H-D交換に必要な水素を連続供給している。しかし、2-PrOHを使用すると、抽出操作が煩雑となり相当量の有機溶媒を使用する必要が生じる。抽出工程を除くには、2-PrOHの使用を回避する必要があり、触媒活性化のための水素源であり、基質の溶解補助剤でもある2-PrOHの役割を分割しなくてはならない。 ヘプタンに溶解した基質溶液、重水そして水素ガスを、Pt/Cを充填した触媒カートリッジに移送したところ、H-D交換反応が進行して、反応後の重水素標識化合物と重水を容易に分離することができた。回収した重水を再び反応に使用して再利用検討したところ、繰り返す毎に若干の重水素化率の低下は認められたものの、少なくとも5回までは高い重水素化率が維持され、フロー法を利用した重水の回収・再利用システムを開発できた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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