この研究は、この20年あまりの間学問的関心を集めてきた「グローバル倫理」について、その限界を探るものである。研究は、倫理学と国際関係論の知見をもとに理論的に掘り下げるパートと、その内容の有無や是非を実際の現場を調査することで確認し修正するパートに分かれる。前者ではグローバル倫理が「外」在的「内」在的に限界を持っていることを指摘し、後者では南アジア3カ国における難民・強制移動の状況を素材に分析を行う。以上の作業から、グローバル倫理がどのような状況下でいかなる限界に直面しているか、それを乗り越える方途があるかどうかを明らかにできれば、この研究は完成する。
|