研究課題/領域番号 |
19K00032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
稲岡 大志 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (40536116)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ライプニッツ / 数学の哲学 / 無限小幾何学 / 図形推論 / 不可分者 / ユークリッド / 幾何学 / 空間 / 数理哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
ライプニッツが同時代の数学を学び、独自の数学を構築し、当時の未解決問題を解いたパリ時代の数学関連の遺稿や、ライプニッツ文書館に保管されている幾何学関連の遺稿を、現代の図形推論研究の知見を活用して読解することで、無限小解析の分野でライプニッツが問題解決のためにいかに図形を活用していたか、ライプニッツは図形についてどのような哲学的分析をおこなったか、そうした分析が数学研究にどう影響したか、を明らかにし、無限小解析と幾何学の関連をライプニッツ数理哲学に位置づけることにある。これにより、現代的観点を踏まえつつも歴史研究としても厳密なライプニッツ数理哲学の解釈を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、とりわけパリ期のライプニッツの数学研究において幾何図形が果たしている機能について、無限、抽象、空間といったライプニッツ数理哲学の主要概念との関連に着目しつつ、また、手稿も参照しながら、現代の図形推論研究の知見を参照した分析を試みた。ライプニッツが先行する数学者たちの研究を取り入れて、図形の対象表示機能に依拠しつつ、求積手続きを視覚化する媒体としても図形を活用していたことを明らかにした。その結果、今後ライプニッツの無限小幾何学研究を数学史と哲学史に位置づけるための枠組みを構築することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近代化を遂げる17世紀のヨーロッパ数学、とりわけ無限小幾何学の展開において、ライプニッツの数学研究が果たした役割を明らかにすることを目指している。研究に際しては、ライプニッツが影響を受けた数学者の研究についても参照し、現代の数学の哲学研究の成果も活用し、さらに、ライプニッツ自身の手稿も検討することで、ライプニッツの数学研究において幾何図形が果たした役割をできる限り歴史的にも厳密なかたちで明らかにすることを試みた。歴史的観点と現代的観点のバランスを取りながら研究を進める本研究は、我が国ではまだ十分根付いたとは言い難い数理哲学研究のモデルを提供することができる。
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