研究課題/領域番号 |
19K00115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
土橋 茂樹 中央大学, 文学部, 教授 (80207399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 『雅歌』 / オリゲネス / ニュッサのグレゴリオス / 愛 / 欲求 / 身体 / 自己への配慮 / プロティノス / 偽ディオニュシオス / プラトン / アリストテレス / 身体の使用 / ギリシア教父 / 神との合一 / 身体・欲求・情念 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、旧約聖書の中で赤裸々に男女の恋愛を歌った異色の書『雅歌』を神との神秘的合一への道行きの書として高く評価するオリゲネス出自の解釈伝統が、いかなる神学的、哲学的影響の下にどのような変容を被ったかを、古代末期の哲学諸学派とギリシア教父双方の文献において、自己への配慮、欲求の訓練、身体の使用という観点から検証・考察することを目的とする。その際、神学/教父学/哲学の先行研究を領域横断的に再考し、その成果を現代思想の観点からも検討することによって、新たな人間学構想への展開契機として、ギリシア教父文献の思想史上の位置付けを刷新することが本研究の最重要課題である。
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研究成果の概要 |
旧約聖書の中で赤裸々に男女の恋愛を歌った異色の書『雅歌』を、神との神秘的合一への道行きの書として高く評価するオリゲネス出自の解釈伝統が、いかなる神学的、哲学的影響の下にどのような変容を被ったかを、古代末期の哲学諸学派とギリシア教父双方の文献において、検証・考察することができたこと、またその際、知性を超えた不可知の神との合一における欲求、情念、身体性のもつ本質的意義の再評価への転換を明らかにし、欲求の訓練・身体の使用という意味での自己への配慮という新たな人間学構想への展開を哲学及び教父学の文献において跡づけられたこと、以上が本研究の主たる成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神学/教父学/哲学の先行研究を領域横断的に再考することによって、身体に起因する欲求や情念を真の自己たる知性によって抑制するという従来の二元論的解釈図式から、知性を超えた不可知の神との合一における欲求、情念、身体性のもつ本質的意義の再評価がなされた点、さらには欲求の訓練・身体の使用という意味での自己への配慮という新たな人間学構想への展開として解明がなされた点が、本研究の最大の特徴であり、思想史研究上の意義である。
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